
日本をアメリカに従属させた日米安保体制のしくみと実態に関する数々の「秘密」を米解禁文書から明らかにする。アメリカによる露骨なまでの干渉と軍事化の押し付け、屈従していく日本政府首脳陣の様子、時々の日本人民による闘いが両政府に与えた衝撃など、その政治力学の構造までを第一級の資料と解説で生々しく浮かび上がらせる書。
目次や構成
- はじめに―真実を知らなければならない
- 第一章 米軍駐留は「憲法違反」
- 1 伊達判決とマッカーサー大使のひそかな干渉
- 2 警官隊によるデモ弾圧をしかけた米政府高官
- 3 米国のベトナム介入と日米安保改定
- 4 日米安保条約と米軍基地特権
- 第二章 植民地化反対と軍政
- 1 「征服の権利」による沖縄の軍用地強奪
- 2 瀬長那覇市長追放と米軍政崩壊の始まり
- 3 「手に負えない挑戦」
- 4 屋良公選主席の出現が決定打に
- 第三章 ベトナム戦争と日本
- 1 最大の前進出撃拠点になった日本の基地
- 2 嘉手納からのB52機ベトナム猛爆の背景
- 3 南ベトナムの戦場と直結した米軍戦車
- 4 インドシナに対する秘密謀略作戦の拠点
- 第四章 闇の中の核持ち込み
- 1 アジアでの米国の戦争と核使用計画
- 2 「原子力の平和利用」かざして反核世論に対抗
- 3 復帰後の沖縄における米軍の核兵器特権
- 4 「解けない難問」とラロック証言
- 第五章 隠される主権侵害と災難
- 1 原潜放射能洩れと国会答弁修正の真相
- 2 富士山麓における米軍演習の不可解
- 3 痛恨の「由美子ちゃん事件」とその後
- 4 米兵犯罪を放任する裁判権放棄密約
- おわりに
著者情報
新原昭治
1931年生まれ。国際問題研究者。

日米「密約」外交と人民のたたかい 米解禁文書から見る安保体制の裏側
定価1,760円
(本体1,600円)
2011年9月