
震災・原発事故からの復興が遅々として進まないのはなぜか。震災を「経済成長」や「構造改革」の好機と見る政府・財界がもたらす矛盾を明らかにしつつ、被災地の地域分析と、戦前の東北振興事業や最近の震災復興の教訓を検証。地域内経済循環によるの再生の道を明らかにする。TPPや道州制問題も視野に、日本の進路を問う。
目次や構成
- 〔目次〕
- 第I部 明らかになった対抗関係
- 第1章 東日本大震災からの復興をめぐる二つの道
- 第2章 原発・エネルギー政策の検証と今後
- 第II部 過去の災害復興の教訓を生かす
- 第3章 昭和前期東北復興事業の歴史的教訓
- 第4章 阪神・淡路大震災と復興問題
- 第5章 中越大震災における山古志復興から学ぶ
- 第III部 地域再生へ問われる政策とその思想
- 第6章 TPPで被災地、日本の地域は救われるのか
- 第7章 道州制・大阪都・中京都構想では地域は再生しない
- 第8章 現代日本の地域再生を考えるーー新自由主義か新しい福祉国家か
- 第9章 地域循環型経済の構築と地域再生ーー「農商工連携」、「六次産業化」を中心に
著者情報
岡田知弘
1954年、富山県生まれ。京都大学大学院経済学研究科教授。自治体問題研究所理事長。『地域づくりの経済学入門』『住民投票の手引き』(自治体研究社)、『都市のフィロソフィー 都市とは何か、その本質』(こうち書房)、『現代自治体再編論』(日本評論社、共著)『国際化時代の地域経済学』(有斐閣、共著)など著作多数。

震災からの地域再生 人間の復興か惨事便乗型「構造改革」か
定価1,760円
(本体1,600円)
2012年5月