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没後100年 時代閉塞を撃つ「革命」という希望

啄木 新しき明日の考察

池田功=著

定価2,090円(本体1,900円)

出版年月
2012年3月
ISBNコード
978-4-406-05567-3
仕様
0095/ 46上製/ 192P
タグ
芸術・生活    評論   
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石川啄木は26歳で亡くなる10年余りの間に、多くの短歌、詩、小説、評論を遺し、そこには今も私たちを励ます言葉に満ちている。とりわけ、明治の「時代閉塞の現状」に抗い、見出そうとした「明日」とは何だったのか。啄木の作品の中から3・11以後の時代閉塞を撃つ力を探り、創作と成長の秘密に迫る画期的評論。

目次や構成

  • はじめに
    • 3.11以後の明日の希望
    • 繰り返される「時代閉塞の現状」
    • 啄木の時代——明日の考察を阻む強権……ほか
  • 1 労働と文学の葛藤——天職観の反転
    • 『学問のすゝめ』に反する生き方
    • 人間を作ることが教育の目的
    • 啄木初期の天職観
    • 予の天職はついに文学なりき
    • 生活手段としての文学……ほか
  • 2 『一握の砂』——「海」のイメージの反転と反復
    • 三陸大津波を連想
    • 南三陸沿岸への修学旅行
    • 島崎藤村「椰子の実」への共鳴
    • 小説「漂泊」から『一握の砂』への反復
    • 反転する契機の初恋と独り言……ほか
  • 3 日韓併合に抗する歌——亡国の認識
    • 短歌に詠まれた憐憫
    • 亡国の嵐吹き荒れる近代
    • 亡国の惨状を隣国に見る
    • 朝鮮国の黒塗りの歌
    • 日韓併合から100年を経て……ほか
  • 4 「時代閉塞の現状」——社会進化論の受容と批判
    • 社会進化論(社会ダーウィニズム)の流行
    • 幸徳秋水の進化論受容
    • 子規ではなく『明星』に与する理由
    • 社会主義に接近
    • 「相互扶助」の発見……ほか
  • 5 辛亥革命という希望——啄木の中国観
    • 新聞報道の辛亥革命
    • 秘密結社「哥老会」とは何か
    • 『水滸伝』と『三国志』
    • 実際の中国人との接触
    • 啄木の支那分割論……ほか
  • おわりに
    • 啄木の東北振興策
    • 盛岡人への檄……ほか
  • 石川啄木の略年譜

著者情報

池田功

1957年新潟県生まれ。明治大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学。韓国・東国大学校特別招聘専任講師、ドイツ・フライブルク大学及びボン大学日本文化研究所客員研究員を経る。現在、明治大学政治経済学部教授、同大学院教養デザイン研究科教授、文学博士、国際啄木学会会長。主な著書に『石川啄木 その散文と思想』(2008年、世界思想社)、『新版 こころの病の文化史』(2008年、おうふう)、『啄木日記を読む』(2011年、新日本出版社)、『啄木 新しき明日の考察』(2012年、新日本出版社)、『石川啄木入門』(2014年、桜出版)。