
プロレタリア演劇運動の担い手として活躍した土方与志が、その師である小山内薫とともに私財を投じて築地小劇場を創設してから90年。戦後も前進座や舞台芸術学院で演劇活動をおこない、生涯250作品以上の演出を手がけた。その激動の生涯と業績を、与志の演出助手をしていた著者が、体験をもとに書き上げた評伝。
目次や構成
【目次】
- 1 牢獄から解放されて
- 2 那須野山荘の日々
- 3 祖父久元のこと、少年期の与志
- 4 小山内薫に弟子入り
- 5 ヨーロッパ演劇修行
- 6 築地小劇場の創設へ
- 7 「灰色の築地小劇場」とは
- 8 戦後の『人形の家』演出までの歩み
- 9 スターリン体制下のソ連で
- 10 フランスでの亡命生活
- 11 『人形の家』『真夏の夜の夢』『復活』などと映画出演
- 12 前進座演出顧問・青共中央演劇学校と舞台芸術学院
- 13 1950年代の苦闘と前進座での演出作品
- 14 築地小劇場の伝統を受け継ぐ新劇団と大劇場進出の前進座での演出
著者情報
津上忠
1924年東京生まれ。劇作・演出家。日本演劇協会専務理事、日本民主主義文学会会員。著書『作家談義 評論・エッセイ集』(2012年、影書房)『不戦病状録抄』(2008年、本の泉社)、『のべつ幕なし』(1996年、新日本出版社)、『芝居噺 幕の内外で』(1992年、新日本出版社)など多数。

評伝 演出家 土方与志
定価2,640円
(本体2,400円)
2014年5月