
現在天皇陵とされる古墳の中には、その天皇の治世と古墳の築造時期が大幅にずれている例が存在する。なぜそんなことになるのか? そこに葬られているのは本当は誰か? 日本考古学界の第一人者が、今日までの発掘調査と出土品研究をもとに、卑弥呼の墓・邪馬台国論争や考古学の課題も含め、最新の研究成果を語る。
目次や構成
【目次】
- 序 章 古墳時代と大王陵
- 第1章 神武天皇と欠史八代の天皇陵
- 第2章 応神・仁徳天皇陵再考
- 第3章 継体天皇の謎に迫る
- 第4章 継体天皇皇后陵ーー衾田陵の謎
- 第5章 五条野丸山古墳は欽明陵か
- 第6章 崇峻天皇陵の謎
- 第7章 斉明天皇陵と牽牛子塚古墳
- 第8章 天武・持統天皇合葬陵を探る
- 終 章 陵墓の疑義は晴らすべき
- [補論1] 発掘考古学からみる箸古墳と邪馬台国論争
- [補論2] 日本考古学をとりまく現状と課題
著者情報
大塚初重
1926年東京生まれ。明治大学大学院文学研究科博士課程修了、文学博士。明治大学名誉教授。登呂遺跡(静岡)、綿貫観音山古墳(群馬)など多数の遺跡の発掘調査に携わる。日本学術会議会員、日本考古学協会会長、山梨県立考古博物館館長などを歴任し、現在は千葉県成田市文化財審議委員会委員長。著書に『日本発掘! ここまでわかった日本の歴史』(2015年、朝日新聞出版)、『アジアの王墓』(2014年、高志書院)、『考古学最新講義 古墳と被葬者の謎にせまる』(2013年、祥伝社)、『邪馬台国をとらえなおす』(2012年、講談社現代新書)など多数。

古代天皇陵の謎を追う
定価1,650円
(本体1,500円)
2015年5月