星野道夫に、オーロラに憧れた高校生が、研究者から星空を人々に伝える仕事に就いたのはなぜか。見ることのできない人が、震災に遭った人々が、星空を見つめて勇気をもらっていた事実。星が戦争につながり、平和への思いを作り出したこと。そして星が人と人をつなぐ物語を通して、私たちの未来も考えられる本です。
目次や構成
プロローグ――20年前の手紙から 1 そうだミュージアムをつくろう 2 子どもたちの宇宙を原点に 3 「オーロラストーリー」が生み出したもの 4 心の中の星空をドームに――プラネタリウム・ワークショップ 5 星空が教えるめぐる時 6 星を頼りに――ぼくとクジラのものがたり 7 星で心をつむぐ――星つむぎの歌 8 見えない宇宙を共有する 9 星から生まれる私たち 10 遠くを見ること、自分を見ること 11 戦争と星空――戦場に輝くベガ 12 星がむすぶ友情――宮沢賢治と保阪嘉内 13 ほしにむすばれて――人と宇宙のドラマ 14 震災の日の星空 15 手紙を書くこと、見上げること 16 音楽とともに 17 宙をみていのちを想う――医療・福祉と宇宙をつなぐ 18 星を「とどける」仕事へ エピローグ――星つむぎの村へ
著者情報
髙橋真理子
1970年、埼玉県出身。山梨県在住。宙先案内人。北海道大学理学部、名古屋大学大学院で、オーロラ研究を行う。97年から山梨県立科学館天文担当として、プラネタリウム番組制作、解説、全国に広がった「星つむぎの歌」の企画、市民グループ「星の語り部」活動など、人びとが主体的に参加できる活動を展開。2013年に独立し、出張プラネタリウムや宇宙と音楽を融合させた公演などを、学校や病院など様々な場所に届けている。現在、星空工房アルリシャ代表、星つむぎの村共同代表、日本大学芸術学部・山梨県立大学・帝京科学大学非常勤講師。2008年人間力大賞・文部科学大臣賞、2013年日本博物館協会活動奨励賞など受賞。共訳書に『星空散歩ができる本 北半球版』『星空散歩ができる本 南半球版(2002年、恒星社厚生閣)など、雑誌への執筆、新聞連載多数。
人はなぜ星を見上げるのか 星と人をつなぐ仕事
定価1,980円
(本体1,800円)
2016年8月