
ねんてん先生の愛称で親しまれている著者が、暮らしを彩り、人生を励ます文学作品の数々を笑いとユーモアを交えて紹介する。肩の力を抜いて、読んでホッとする文学エッセー。暮らしの中に文学のエッセンスを取り入れることで人生が楽しくなる、という著者の人生観がにじみ出る。カバ大好きの「カバのいる日々」も収録。
目次や構成
目次
- Ⅰ 文学のある日々
- 1 「サヨナラ」ダケガ人生ダ
- 2 ヒバリは「魂全体が鳴く」
- 3 強がる「坊っちゃん」
- 4 文庫本が好き
- 5 カとハエとナメクジと
- 6 おうい雲よ
- 7 本の重量、『火花』二百五十グラム
- 8 柿の季節がやってきた
- 9 柿からKAKIへ
- 10 闇鍋で忘年会をしよう
- 11 おめでたい人
- 12 春は近い、旅に出よう
- 13 磯巾着に会いに行く
- 14 桜の花の下で
- 15 先生は風のように
- 16 降っては晴れ晴れては降り
- 17 苦しいから読め
- 18 これから湯に入ります
- 19 鴎外は「をば」仲間
- 20 あんパン命と草花命
- 21 子どもと言葉
- 22 泥棒になる星のもとで
- 23 貫一ぐもりと赤い月
- Ⅱ カバのいる日々
- 1 長い付き合いの始まり
- 2 来日から百年余
- 3 五分のしんぼう
- 4 やさしい草食系
- 5 可憐さとだらしなさ
- 6 クジラと親戚
- あとがき
- 作中に紹介されている文学作品~夏目漱石から又吉直樹まで~
- 蘇軾「春夜」
- 于武陵「勧酒」
- 上田敏『海潮音』
- 大伴家持『万葉集』
- 夏目漱石『草枕』
- 夏目漱石『坊っちゃん』
- 『若山牧水歌集』
- 『八木重吉詩集』
- 松尾芭蕉
- 小林一茶
- 清少納言『枕草子』
- 夏目漱石「三四郎」
- 山村暮鳥『雲』
- 夏目漱石「二百十日」
- 立原道造「はじめてのものに」
- 『藤村全集』
- 又吉直樹『火花』
- 正岡子規「くだもの」
- 『伊勢物語』
- 正岡子規「闇汁図解」
- 柳田国男『新たなる太陽』
- 島崎藤村「小諸なる古城のほとり」
- 坂口安吾「桜の森の満開の下」
- 梶井基次郎「桜の樹の下には」
- 桂信子『草樹』
- 壺井栄『二十四の瞳』
- 田山花袋『田舎教師』
- 長塚節『土』
- 『漱石書簡集』
- 小堀杏奴『晩年の父』
- 萩原朔太郎「蛙の死」
- まど・みちお『どんな小さなものでも、みつめていると、宇宙につながっている』
- 夏目漱石「趣味の遺伝」
- 尾崎紅葉『金色夜叉』
- 中島敦「山月記」
著者情報
坪内稔典
1944年愛媛県生まれ。俳人。立命館大学卒。京都教育大学名誉教授。俳句グループ「船団の会」代表。ねんてん先生の愛称で親しまれている。著書『四季の名言』(2015年、平凡社)、『 柿日和 喰う、詠む、登る 』(2012年、岩波書店)、『子規その時代』(2011年、沖積舎)、『モーロク俳句ますます盛ん――俳句百年の遊び』(2009年、岩波書店)、『カバに会う――日本全国河馬めぐり』(2008年、岩波書店)ほか多数。

ねんてん先生の文学のある日々
定価1,760円
(本体1,600円)
2017年4月