妻との朝食で軽井沢気分になって、ふふっと笑ったり、「老人と海」や田辺聖子作品から一つのフレーズが折にふれ思い起こされたり…。好きな人、好きな本、好きな食べ物の話を機知とユーモアを織り交ぜて、何気ない日常生活の情景と文学の言葉を紡いでいます。読むと気持ちがゆったりするねんてん先生の連載エッセイ第二集。
目次や構成
目次
- 1 四季と季語と人生と
- 2 本友・草友・柿友…餡友
- 3 窓をあければ
- 4 一家に一冊、俳句歳時記
- 5 赤胴鈴之助とががんぼ
- 6 軽井沢気分で朝ご飯
- 7 与謝野晶子と気まぐれの力
- 8 老人は甘いか蟻がすでに来た
- 9 老人と子どもと
- 10 心の置けない友
- 11 押し合いへしあい歳末の風景
- 12 犬はびょうびょうと鳴いた
- 13 老人たちは元気づく
- 14 『広辞苑』と「峠の茶屋」
- 15 花かげのレモン
- 16 桐の花とカステラ
- 17 ホトトギスを聞きましたか
- 18 キスしましょ、の季節
- 19 「老人と海」の老人は海
- 20 「白樺の家」と呼ばれたい
- 21 禍を福に転じる姨捨駅
- 22 すわり心地のよき椅子
- 23 お前も可愛いな
- 24 正月いろいろ
- 25 正宗白鳥はどこの酒?
- 26 豚になめられる
- 27 屋根の上の万葉集
- 28 ザダミザギバンドウ
- 29 朝ごはんは楽しい
- 30 田辺聖子さんの言葉
- 31 かっこうのいい老人
- 32 ああ 虫がないてるね
- 33 夢殿へ寄ろう、二、三の団栗と
- あとがき
- 作中で紹介されている文学作品~新美南吉、藤沢周平、草野心平、八木重吉など~
- 高啓「湖隠君を尋ぬ」
- 正岡子規「筆まかせ」
- 新美南吉「ごん狐」
- 藤沢周平「蝉しぐれ」
- 中里介山『大菩薩峠』
- 島崎藤村『夜明け前』
- 与謝野晶子「君死にたまふことなかれ」
- 与謝野晶子「明るみへ」
- 小林一茶『おらが春』
- 小野十三郎「雀」
- ガスター『ルーマニア島獣譚』
- 南方熊楠「犬に関する民俗と伝説」
- 三鬼
- 高村光太郎「クロツグミ」「レモン哀歌」
- 北原白秋「桐の花とカステラ」「カステラ」
- 『徒然草』
- ヘミングウェイ「老人と海」
- ツルゲーネフ「あひびき」
- 松尾芭蕉「更科紀行」
- 石川啄木「家」『一握の砂』
- 夏目漱石「行人」
- 鏡子『漱石の思い出』
- 樋口一葉「この子」
- 正宗白鳥「入江のほとり」「女連れの旅」
- 夏目漱石「夢十夜」
- 『万葉集』
- 高橋新吉『ダガバジジンギヂ物語』「留守」
- 田辺聖子『いっしょにお茶を』『歳月切符』『ジョゼと虎と魚たち』
- 立原道造「のちのおもひに」
- 草野心平「秋の夜の会話」
著者情報
坪内稔典
1944年愛媛県生まれ。俳人。立命館大学卒。京都教育大学名誉教授。俳句グループ「船団の会」代表。ねんてん先生の愛称で親しまれている。著書『四季の名言』(2015年、平凡社)、『 柿日和 喰う、詠む、登る 』(2012年、岩波書店)、『子規その時代』(2011年、沖積舎)、『モーロク俳句ますます盛ん――俳句百年の遊び』(2009年、岩波書店)、『カバに会う――日本全国河馬めぐり』(2008年、岩波書店)ほか多数。
屋根の上のことばたち ねんてん先生の文学のある日々 弐
定価1,870円
(本体1,700円)
2020年10月