
中国戦線に派遣された岡田誠三郎は、騎兵連隊からアヘン売買に関わる軍の機関に転属になる。最前線での捕虜少年の斬首、アヘン中毒でやせ衰えた遺体との遭遇などの壮絶な体験、そして妻となる久美との出会い、焼け野原の東京での生活……。豊富な史料に拠って作品世界を構成し、戦争の当事者として向き合い描いた力作。
著者情報
能島龍三
1949年群馬県生まれ。群馬大学教育学部卒業。日本民主主義文学会会員。 著書に『夏雲』(2010年、新日本出版社)、『虎落笛』(2008年、本の泉社)、『分水嶺』(2006年、光陽出版社)、 『時代の波音』(共著、2005年、新日本出版社)、『風の地平』(2004年、本の泉社)ほか。

遠き旅路
定価2,530円
(本体2,300円)
2019年1月