
気になる問題も意外な素顔も映画が教えてくれる
アメリカが面白くなる映画50本
村瀬広=著
アメリカを描いた面白い映画はいかが?アメリカ人のルーツや宗教、地域に生きる人々の姿、スポーツ・音楽、メディア、先住民との関係、人種差別や「銃社会」、不法移民など根深い問題……「グリーンブック」などヒット作から、地味ながら味わい深い作品まで、私たちに身近な超大国の抱えるものの深さと懐の深さを伝えます。
目次や構成
目次
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はじめにーアメリカはどう映画に描かれているか
- 第1章 アメリカ人のルーツ
- 「ダンス・ウィズ・ウルブズ」-ネイティブ・アメリカンの立場に立つ
- 「ジェロニモ」-ネイティブ・アメリカンの視点に一歩近づく
- 「トゥルー・グリット」-フロンティア消滅前後のアメリカ
- 「それでも夜は明ける」-奴隷に売られた自由黒人
- 「リンカーン」-奴隷解放への政治過程
- 「リバー・ランズ・スルー・イット」-信仰および芸術としてのフィッシング
- 「セントアンナの奇跡」-知られざる黒人部隊と戦争批判
- 「ヘルプ 心がつなぐストーリー」-黒人差別の社会構造
- 「私はあなたの二グロではない」-大衆操作のツールとしての黒人問題
- 「レボリューショナリー・ロード 燃え尽きるまで」-アメリカ人の見果てぬ夢
- 「ミッドナイト・イン・パリ」-パリはアメリカ人の理想郷か
- 第2章 根深い社会問題
- 「クラッシュ」-人種カオス都市・ロサンゼルスの病理
- 「白いカラス」-アメリカ社会に潜む差別の深層
- 「デトロイト」-五〇年前の大暴動を掘り起こす
- 「グリーンブック」-南部を演奏旅行した黒人ピアニスト
- 「ブリッジ」-自殺の「名所」を検証する
- 「ムーンライト」-アメリカ社会の空気感を伝える
- 「ボウリング・フォー・コロンバイン」-アメリカ銃社会の矛盾
- 「闇の列車、光の旅」-不法移民はなぜアメリカを目指すのか
- 「フローズン・リバー」-国境の町の特殊な現実
- 「スーパーサイズ・ミー」-ファーストフード王国の病理
- 「ファーストフード・ネイション」-アメリカ人にとってファーストフードとは
- 「オンリー・ザ・ブレイブ」-山火事消火のスペシャリスト
- 「不都合な真実2 放置された地球」-地球温暖化は克服できるか
- 第3章 地域社会と人々
- 「ミルドレッド」-中年女性の転機と再出発
- 「ブロンクス物語」-少年が生きた二つの社会
- 「僕はラジオ」-地域社会と障害者
- 「マディソン郡の橋」-大人の恋のリリシズム
- 「ハクソー・リッジ」-良心的兵役拒否と宗教
- 「訴訟」-訴訟大国の論理と倫理
- 「シッコ」-アメリカにはなぜ公的医療保険制度がないのか
- 「マイケル・ムーアの世界侵略のススメ」-アメリカ社会を外から検証すると
- 「カンパニー・メン」-アメリカの企業風土と労働意識
- 「ビリーブ 未来への大逆転」-女性差別克服の航跡
- 第4章 文化、スポーツ、メディア
- 「ライ麦畑で出会ったら」-永遠の青春小説へのオマージュ
- 「バックコーラスの歌姫たち」-バックシンガーとソロシンガーの距離
- 「人生の特等席」-野球へのラブレター
- 「ザ・ビッグハウス」-巨大アメフトスタジアムの実態
- 「トゥルーマン・ショー」-メディア支配社会の寓話
- 「スポットライト 世紀のスクープ」-宗教権力の地域社会支配
- 「シチズンフォー スノーデンの暴露」-失われるプライバシーと自由
- 「ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス」-知性と民主主義の砦
- 第5章 政治、統治、権力批判
- 「ザ・シークレットマン」-大統領の犯罪を内部告発
- 「声をかくす人」-なぜ戦時に法は沈黙したか
- 「ブッシュ」-大統領になってはいけなかった男
- 「記者たち 衝撃と畏怖の真実」-報道の自由と真実の報道
- 「JFK」-大統領暗殺の真相に迫る
- 「LBJ ケネディの意志を継いだ男」-ジョンソン大統領の再評価
- 「チョムスキー9・11」-対テロ戦争批判とチョムスキー効果
- 「希望の街」-迷走する都市政治
著者情報
村瀬広
1944年山形県鶴岡市生まれ。映画評論家。著書に『映画は戦争を凝視する』(新日本出版社、2016年)、『アメリカが面白くなる映画50本』(新日本出版社、2019年)。

アメリカが面白くなる映画50本
定価2,310円
(本体2,100円)
2019年11月