勤めていた居酒屋がコロナ禍で閉店し、次の就職のアテもないまま失業した美沙。施設出身だと人に打ち明けられず、仕事も長続きしなかった。元同僚の春香が温かく接してくれ、徐々に心を開き始めるが、春香が大けがを負ったと知らせを受ける――。「いいことは何もない」と苦しみながらも懸命に生きる女性たちを描いた物語。
著者情報
木曽ひかる
1944年愛知県生まれ。愛知県立女子短期大学卒業。名古屋市役所に39年間勤務、うち23年間、生活保護、障がい関係の仕事に携わる。日本民主主義文学会会員。2015年「月明りの公園で」で、第12回民主文学新人賞受賞。著書に『曠野の花』(2021年、新日本出版社)がある。
冬萌
定価2,310円
(本体2,100円)
2024年2月