
東日本大震災前は漁業が盛んだった岩手県の漁村が不漁に喘いでいる。被災後、“海は蘇った”と、メディアが報じることに苦しみながらも、海と立ち向かい前向きに生きる生涯現役の漁師・吉村達矢。愛犬クマとのエピソードを交え、艱難辛苦の日々を訥々と語る漁師の言葉が胸を打つ。多くの人の心を打つ著者渾身の小説。
著者情報
藤崎童士
1968年生まれ。ノンフィクション作家。水中写真家・中村征夫氏の半生を描いた『半魚人伝――水中写真家・中村征夫のこと』(2010年、三五館)。『殺処分ゼロ――先駆者・熊本市動物愛護センターの軌跡』(2011年、三五館)につづき、本書が3作目。劇作活動として、2004年度、06年度に文化庁舞台芸術創作奨励賞(現代演劇部門)を受賞する。

波の花 被災漁師と奇跡の犬
定価2,090円
(本体1,900円)
2024年3月