
15歳で連行され、日本軍「慰安婦」としての日々を強いられた李容洙(イ・ヨンス)さん。戦後の韓国で、自らの体験を誰にも話せず、沈黙を続けるが、1992年、体験者であると名乗りをあげた。80歳になった今も、各地で精力的に日本軍による性暴力を告発する李容洙さんの半生と、現在の思いを綴る。
目次や構成
〔目次〕
- はじめに――「近くて遠い国」
- 第1章 十五歳(さい)のわたしにおこったこと
- 大邱(テグ)に生まれる
- 何も知らずに
- トラジの花
- 「オンマー!」
- 悪い奴(やつ)ら
- 第2章 性奴隷(せいどれい)の日々
- そこは台湾(たいわん)だった
- 人間地獄(じごく)
- 「慰安婦(いあんふ)」
- 「ハツコイ」
- 第3章 戦争が終わった
- 解放
- 帰国
- 家族もずたずたに
- 沈黙(ちんもく)
- 第4章 破られた沈黙(ちんもく)
- 「慰安婦(いあんふ)」はわたしだけではなかった
- 弟の遺言(ゆいごん)
- 割腹未遂(かっぷくみすい)
- 第5章 「歴史の証人(しょうにん)」として
- 日本での証言
- 女性国際戦犯法廷(じょせいこくさいせんぱんほうてい)
- いつまで証言をすればいいのですか
- 終 章 李容洙(イヨンス)さんへの手紙
- おわりに――「近くて近い国」
著者情報
李容洙
1928年生まれ。韓国在住。
高柳美知子
東京生まれ。早稲田大学卒業。「人間と性」教育研究所所長。著書に「日本にも戦争があった――七三一部隊元少年隊員の証言」「あなたは「三光作戦」を知っていますか――日本にも戦争があった2」他多数。