
下巻は脳のしくみを解明する脳科学,サルからヒトへの道すじにせまる人類学,遺伝子の仕組みと生命の起源,進化の謎にせまる研究,保全生態学の最新の現状について,簡潔に説く。
目次や構成
- 脳の謎はどこまで解けたか 久保田 競
―前頭葉の研究を中心に―
- はじめに
- ワーキングメモリーの研究へと広がった前頭葉の研究
- 前頭連合野に残された最後の処女地が解明される
- 前頭葉に可塑性があることがわかってきた
- 無症候性の梗塞とは何か
- 脳の老化と痴呆
- サルからヒトへの進化の謎はどこまで解けたか 馬場悠男
- 人間らしさの発達
- 放散と絶滅の人類史
- ダーウィンの功罪
- 猿人たちの試行錯誤
- ヒト属の人類の発展
- サピエンスの世界制覇
- 生命の起源の謎にせまる 小林憲正
―原始環境模擬実験からのアプローチ―
- ミラーの実験五〇周年
- 生命の起源研究前史
- オパーリンからミラーへ
- 古典的な化学進化シナリオの構築
- タンパク質が先か、核酸が先か
- 古典的シナリオの問題点
- 原始地球大気からの有機物の生成は可能か
- 宇宙空間の有機物
- 左手型アミノ酸の起源は宇宙?
- 新たな原始海洋のイメージ
- 新しい化学進化シナリオをめざして
- 化学進化の化石と第二の生命の探査
- おわりに―アストロバイオロジーと日本
- 生命とは何だろう 宗川吉汪
―生化学・分子生物学から見た生命―
- 生化学的統一性の原理
- 生体分子にキャッチフレーズを付ける
- 水は生命を育み、脂質は生命を包む
- 生命を営む蛋白
- 生命を養う糖
- DNAは生命を紡ぐ
- 生命を統べるRNA
- 生命の自己増殖装置を組み立てる
- 進化論から進化学へ 矢原 徹一
―新しい進化研究の幕開け―
- はじめに
- ダーウィンの発見―アルゴリズムとしての自然淘汰
- メンデリズム対ダーウィニズムの論争
- 分子進化をめぐる淘汰説と中立説の論争
- 現在も起きている進化の研究
- 過去の歴史の再構成
- 歴史の実験的復元
- おわりに
- 共進化の謎を解く 上田恵介
―花・鳥・虫のネットワーク―
- 共進化とは
- ウサギの耳はなぜ長い?
- ダーウィンの予言―マダガスカルのランと蛾
- 小鳥が春に繁殖するわけ
- 果実があるわけ
- ドングリの森をつくる動物たち
- 進化の妥協点―カッコウと宿主の軍拡競争
- 助け合い?だましあい?―共進化の真実
- 保全生態学からみた持続可能性 鷲谷いづみ
―生態学的赤字解消と生物多様性の保全―
- 持続可能性のための生態学的要件
- 生態学的大幅赤字とエコロジカル・フットプリント
- 生物多様性の保全はなぜ必要か
- 生物多様性の保全のための戦略
- 強く求められる外来種対策
著者情報
久保田競

自然の謎と科学のロマン(下) ―生命と人間・編
定価2,090円
(本体1,900円)
2003年11月
馬場悠男

自然の謎と科学のロマン(下) ―生命と人間・編
定価2,090円
(本体1,900円)
2003年11月
小林憲正

自然の謎と科学のロマン(下) ―生命と人間・編
定価2,090円
(本体1,900円)
2003年11月
宗川吉汪
1939年生まれ。京都工芸繊維大学名誉教授。生命生物人間研究事務所主事。東京大学理学部生物化学科卒業、理学博士。東京大学医科学研究所助手、京都大学ウイルス研究所助教授、京都工芸繊維大学教授などを歴任。著書・訳書に、『21世紀への跳躍4・生命の展開』(共著、三省堂、1988)、『ホートン生化学』(共訳、東京化学同人、2003)、『生命のしくみ11話』(新日本出版社、2004)など。

自然の謎と科学のロマン(下) ―生命と人間・編
定価2,090円
(本体1,900円)
2003年11月
矢原徹一

自然の謎と科学のロマン(下) ―生命と人間・編
定価2,090円
(本体1,900円)
2003年11月
上田恵介

自然の謎と科学のロマン(下) ―生命と人間・編
定価2,090円
(本体1,900円)
2003年11月
鷲谷いづみ

自然の謎と科学のロマン(下) ―生命と人間・編
定価2,090円
(本体1,900円)
2003年11月