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学生と教授の対話から、生命の謎にせまる11話

生命のしくみ11話

宗川吉汪=著

定価1,760円(本体1,600円)

出版年月
2004年7月
ISBNコード
978-4-406-03093-9
仕様
0046/ 四六判並製/ 198P
タグ
自然    自然科学一般   
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地球上の1000万種におよぶ多彩な生命はその構成分子と設計のしくみが同じで、すべて 40億年前のたった一種の生物に由来しているといわれる。意外に近しい生命のあり様を語る。ゲノム解読など新しい到達点に立って生体分子の働き、進化や自己増殖など、哲学専攻の文学部生と生化学専攻の教授が軽妙なトークを展開。

目次や構成

[目次]

  • はじめに
  • 第1話  生命分子のキャッチフレーズ
    1. 「いのち」、「生命」とは一体何でしょうか(学生)
    2. 生物学に良い教科書がないのはなぜですか(学生)
    3. 生物をつくるおもな分子はたった6つなのです(教授)
    4. 生命分子のキャッチフレーズをつくってみました(教授)
    5. 化学式は専門的な感じですが、何を表しているのですか(学生)
  • 第2話  生命を育む水、生命を包む脂質
    1. 水がなければ生物は存在しないことになります(教授)
    2. 水の中でどのようにして細胞膜ができるのでしょうか(学生)
    3. 膜は熱力学の法則にしたがって「自然に」できます(教授)
    4. 膜形成はエントロピー増大則に反するように見えますが(学生)
  • 第3話  生命を操るタンパク質
    1. 酵素タンパク質は単純な機械ではありません(教授)
    2. 酵素は活性化エネルギーの山を低くします(教授)
    3. 10万種類のタンパク質の立体構造はユニークでしょうね(学生)
    4. たしかに酵素の働きは魔物的ですね(学生)
    5. 生化学反応のエネルギーがATPとはどういうことですか(学生)
  • 第4話  生命を養う糖
    1. 生命分子は炭素原子を中心に組み立てられているのですね(学生)
    2. 炭素原子をもたらす最大のルートは合成です(教授)
    3. エネルギーはどのようにつくられるのですか(学生)
    4. いよいよ炭素ガスから糖が光合成される番ですね(学生)
    5. 解糖も呼吸も結局はエネルギーをつくり出す経路なのですね(学生)
    6. 太古の始原生物はどんな生きものだったのでしょうか(学生)
  • 第5話  遺伝子の発見
    1. DNAはいつ、だれが発見したのですか(学生)
    2. それにしてもメンデルは幸運でしたね(教授)
    3. 「遺伝子の働きとはいったい何か」の問いかけ(教授)
    4. 死んだ細菌の成分が作用したのですか(学生)
    5. 「DNA=遺伝子」の決定的な証拠は得られたのですか(学生)
  • 第6話  生命を紡ぐDNA
    1. 物理屋さんが興味をもち始めたのです(教授)
    2. 「遺伝子=無周期性の結晶」と結論しました(教授)
    3. 二重らせんは美しいモデルですね(学生)
    4. 二重らせんの発見はすぐに大きなインパクトを与えましたか(学生)
    5. ワトソンとクリックが投げかけた問題は(教授)
    6. ヒトのDNAの長さは2mにもなります(教授)
    7. DNAはどうして右巻きになるのですか(学生)
    8. DNAはなぜ二本鎖でなければならないのですか(学生)
  • 第7話  生命を統べるRNA
    1. 3つ組の塩基が1個のアミノ酸のコードになっています(教授)
    2. なぜDNAとRNAがあるのですか(学生)
    3. タンパク質の合成にはDNAは無関係です(教授)
    4. 「DNA→RNA→タンパク質」が根本原理です(教授)
    5. 暗号の解読はどのように進んだのですか(学生)
    6. 転移RNAはまさに核酸とタンパク質の翻訳機ですね(学生)
    7. RNAの編集機能とは何のことですか(学生)
  • 第8話  自己増殖のしくみ
    1. 「時計に時計を生ませてみよ」(教授)
    2. DNAはデジタル、タンパク質はアナログですね(学生)
    3. 自己増殖装置を図に描いてみましょう(教授)
    4. DNAとRNAの違いはわずかですが、好都合ですね(学生)
    5. 修復の究極の方策は複製ではありませんか(学生)
    6. 生命のビックバンを考えたらどうでしょう(学生)
  • 第9話  ヒトゲノムの解読
    1. ヒトゲノムの解読で全部わかったことになりますか(学生)
    2. 結局、遺伝子とは何なのでしょうか(学生)
    3. ゲノムがガラクタだらけとは正直ショックです(学生)
    4. 二足歩行がサルとヒトを分ける決定的な点です(教授)
    5. 生物進化を技術進歩のアナロジーで見るのは誤りです(教授)
  • 第10話  生命分子を見る「科学の目」
    1. 生命分子を見る「科学の目」はどのように発展したのでしょう(学生)
    2. 枠組みは進化論、自然発生の否定、細胞学説ですか(学生)
    3. 遺伝子は人工合成できて当たり前ですね(学生)
    4. 発酵の研究が生化学の原点でもありました(教授)
    5. 酵素の発見こそが生化学の真の出発点でした(教授)
    6. 「酵素はタンパク質である」は疑惑の目で迎えられました(教授)
  • 第11話  「生命」はどのように考えられてきたか
    1. アリストテレスは生きものをどう見ていたでしょうか(学生)
    2. デカルトの機械論は心身二元論ですね(教授)
    3. 近代的な生気論者にシュタールがいます(教授)
    4. ダーウィンの進化論はどうして重要なのでしょうか(学生)
    5. 生物はじつに合目的的にうまくできていますね(学生)

著者情報

宗川吉汪

1939年生まれ。京都工芸繊維大学名誉教授。生命生物人間研究事務所主事。東京大学理学部生物化学科卒業、理学博士。東京大学医科学研究所助手、京都大学ウイルス研究所助教授、京都工芸繊維大学教授などを歴任。著書・訳書に、『21世紀への跳躍4・生命の展開』(共著、三省堂、1988)、『ホートン生化学』(共訳、東京化学同人、2003)、『生命のしくみ11話』(新日本出版社、2004)など。