
1884年の埼玉県秩父。生糸の暴落と増税、高利貸による土地のとりあげに苦しむ民衆が、明治政府に真っ向から立ち向かった――秩父困民党の蜂起である。暮らしの改善めざし政治の変革を求めた3千人を超える人びと。その命がけの戦いが現代に送る強烈なメッセージとは? 事件の全容と背景を生き生きと描く初めての通史。
目次や構成
[目次]
- はしがき―今、なぜ秩父事件か
- 第1章 秩父事件とはどのような事件か
- 第1節 動き出す農民集団
- 第2節 自由党の動向
- 第3節 秩父自由党による困民の組織化
- 第4節 武装蜂起への道
- 第5節 困民党蜂起
- 第6節 信州への進出
- 第7節 蜂起に呼応して
- 第8節 「暴徒」とされた困民党
- 第9節 異例づくめの裁判
- 第2章 秩父事件はなぜ起きたのか
- 第1節 秩父の自然と風土
- 第2節 民衆の政治力の高まり
- 第3節 開港後の秩父と農民の成長
- 第4節 明治初年の諸改革と秩父
- 第5節 埼玉の自由民権運動
- 第6節 秩父における思想的動向
- 第7節 松方財政下の悲惨な農民生活
- 第8節 明治一四年の勅諭と支配体制の確立
- 第3章 秩父事件とその後
- 第1節 逃亡とたたかい
- 第2節 要求四項目のゆくえ
- 第3節 事件後の秩父地方の農民生活
- 第4節 権力中枢への影響
- 第4章 気軽に聞いて Q&A
- Q1 「中心になったのはどんな人物だったのですか」
- Q2 「困民党はどんな武器をもっていたのですか」
- Q3 「困民党はどんな服装をしていたのですか」
- Q4 「女たちはどうしていたのですか」
- Q5 「困民党軍の兵士はどんな村から参加したのですか」
- Q6 「どんな職業の人が参加していたのですか」
- Q7 「駆り出しはどのように行われたのですか」
- Q8 「困民党軍と戦った軍隊について教えてください」
- Q9 「戦死者はどれくらいだったのですか」
- Q10 「取り調べはどのように行われたのですか」
- Q11 「どんな刑罰が科されたのですか」
- Q12 「当時の一円は今のいくらに当たりますか」
- Q13 「事件の記録にはどんなものがありますか」
- Q14 「記念碑や顕彰碑はあるのですか」
- あとがき
- 参考文献
著者情報
秩父事件研究顕彰協議会

秩父事件 圧制ヲ変ジテ自由ノ世界ヲ
定価1,781円
(本体1,619円)
2004年8月