
壮大な山並みや窪地に咲く花との出会いを求めて幾度となく訪れた山梨に、五年前、画家はいよいよ民家を借りる。南アルプスを間近に見る山村の風景。使い込まれた背負い篭の風格。丹精された農作物の土くさい美しさ。――新たな画境を示す一連の作品に、人情厚い山里の人々とのふれあいをつづった短文を添える。
目次や構成
〔目次〕
- 南アルプスの間近に見える季節
- 甲斐駒冠雪
- ヤブツバキ
- 石箕に盛られた山ウド
- 石箕と根付きのタケノコ
- 春子のシイタケ
- 使い込まれた背負い篭
- とうの立った丸大根
- 背負い子のある裏庭
- 桐の花
- 桑の実
- キタダケソウ
- キタダケトリカブト
- 砂礫に咲くキバナシャクナゲ、ハクサンチドリ
- カザグルマ(風車草)
- チングルマとウサギギク
- 日川桃色彩やかに
- 庭先のプラム
- カボチャの成り花
- 土蔵の家
- キバナノアツモリソウ
- 北岳山腹のクルマユリ
- グンナイフロウ
- 富士に咲く白い石楠花
- 秋風の吹くころ
- シイタケの栽培
- 手篭のアケビ
- ミツバアケビ
- あけびと石榴
- 五葉アケビ
- 掘り出された里芋
- 彩る甲州百目
- 庚申堂のある旧街道
- コンニャクを作る
- 流木の椅子
- 畑の冬瓜
- 冬瓜
- 八ヶ岳山麓・秋色
- 八ヶ岳を背にする集落
- 八ヶ岳山麓冬
- あとがき
著者情報
宮本和郎
1936年生まれ。東京芸術大学日本画科卒業。日本美術家連盟・日本美術会会員。主な著書に「墨で描く四季の花」「墨で描く基本」「画集スイス・アルプス花の旅」などがある。

山里の彩譜(うた)
定価3,080円
(本体2,800円)
2006年11月