
ちひろらしさ、共産党らしさとは? 「知弘が、ちひろになる」。ここにも、その謎解きのカギがある。
ちひろ 絵に秘められたもの
松本善明=著
絵筆を持った日本共産党員として、限りなくやさしい「心」を生みだしつづけたちひろ。そのちひろの生き方、思想、作品についての考え方などを、これまでの枠を越えて、かなり大胆に書き下ろした新著。さまざまな「ちひろ研究」を基礎に、一人の人間としての、画家としてのちひろ像をくっきりと造形した、著者の集大成となる書。
目次や構成
〔目次〕
- まえがき
- 第1章 ちひろの最期
- 闘病
- 花束の別れ
- 見事な最期
- 描かれざる「ちひろの世界」
- 絵と人
- 第2章 原点
- 画家と政治家
- ちひろが共産党を選んだ理由
- 入党の恩人菊池邦作
- 初めて聞いた共産党演説会
- 学習懇談会と長野の革命的伝統
- ちひろが自然な形で日本共産党を受け入れた理由
- なぜ戦後すぐの入党か
- 樋口一葉に共感したちひろ
- 空想的社会主義と科学的社会主義
- 画家としての出発
- 戦後の民主化運動の中で
- 「知弘」が「ちひろ」になる
- 第3章 七歳半の年の差を越えて
- 出会い
- 不幸な過去
- 結婚の申し込み
- 花の結婚式
- 二人の誓い
- 第4章 靴六足
- 「冷や飯草履」と靴六足
- 白骨への「新婚旅行」
- 新しい生命の誕生
- 息子を安曇野に預けて
- 安曇野への思い
- 平和の使者 ― 中国初の「ちひろ展
- 第5章 時代の嵐
- わが家を襲ったスパイ
- 童画家と弁護士
- スポーツウーマン
- 個性を大切にする心
- ちひろの教育
- 私の立候補
- 第6章 新たな思想の発展
- 丸木夫妻除名事件
- 丸木夫妻との訣別
- ちひろの随想
- 第7章 ともに響き合う心
- 政治革新の息吹の中で ともに響き合った精神の高揚
- ちひろとアンデルセン
- 王座の上で死んだ少年
- アンデルセンとマルクス
- 『わたしがちいさかったときに』
- 『愛かぎりなく』
- ちひろの選挙応援
- ちひろの党活動
- すれちがい夫婦
- 「みんな、あなたがわるいのよ」
- 第8章 人類の進歩と幸福のために
- ちひろの代表作『戦火のなかの子どもたち』
- 『「戦火のなかの子どもたち」物語』
- 「ベトナムちひろ展」
- ちひろの気構え
- 純粋、誠実ということ
- ちひろの大切な芸術家 アンデルセンと宮沢賢治
- ちひろの遺志を継いで
- 21世紀を生きる子どもたちへ
- あとがき
山田洋次さん推薦
「革命家の妻ですもの」という肉声を残して旅立った妻・ちひろへの、生真面目で、それ故にどこかユーモラスなオマージュ。」 (映画監督)
著者情報
松本善明
1926年大阪生まれ。東京大学法学部卒業。1967年より日本共産党衆議院議員を通算11期勤める。現在、同党名誉役員。弁護士。主な著書に『ちひろとわたし』(新日本出版社、1978年)『思い出のちひろ』(新日本出版社、1988年)『妻ちひろの素顔』(講談社、2000年)などがある。

ちひろ 絵に秘められたもの
定価1,650円
(本体1,500円)
2007年8月