
戦争政策の一定の見直しを迫られる米国、苦難の歴史をこえ自らの手で共同を進める東アジア――時代が動く中で日本はどうすべきなのか。現在の日本の支配層がいかに行き詰まったかを、「世界の構造変化」をキーワードに検証するとともに、政治的にも経済的にも躍動するアジアの中で、日本がとるべき進路を考えます。
目次や構成
〔目次〕
- はじめに
- 第1章 世界構造の転換と帝国主義
- 帝国主義の基準と「東洋」の力への注目
- 「フランス植民地帝国」の崩壊
- 戦後史における国連の変化
- イラク戦争とフランス
- 新しい世界構造の分析へ
- 第2章 世界の構造変化と日米関係
- 「スマートパワー委員会報告」と世界の変化
- 日米関係と福田内閣・大連立問題
- ドル体制の不安と日本の進路
- 第3章 進む「東アジアの共同」と米日の対応
- 変化する東アジアと果たすべき日本の役割
- [アジア太平洋]でなく[東アジア]
- 対米従属と東アジアでの利益のあいだで
- アメリカの政策転換と靖国問題
- 変化したアメリカの対日・対靖国政策
- 東アジアへの接近を模索する政財界
- 通貨・金融協力の着実な前進
- 第4章 アジアの中の憲法問題
- 自民党「新憲法草案」の特徴と問題点
- 天皇中心の「美しい国」と財界のスタンス
- 戦後日本における「脱植民地化」の未達成
- 戦後アジアに対する日本の態度
- 第5章 「慰安婦」問題に見る世界の構造変化
- 「はじめに結論ありき」
- 「河野談話」の見直しを企てた安倍首相
- 加害への反省を許さぬ逆流
- 頓挫した「議員の会」の訪米工作計画
- 孤立する靖国派と急がれねばならない解決
著者情報
石川康宏
1957年北海道生まれ。京都大大学院経済学研究科単位取得退学。神戸女学院大教授(経済学・経済理論)。『覇権なき世界を求めて』(2008年、新日本出版社)、『マルクスのかじり方』(2011年、新日本出版社)、『橋下「維新の会」がやりたいこと』(2012年、新日本出版社)、『女子大生のゲンパツ勉強会』(2014年、新日本出版社、共著)、『「古典教室」全三巻を語る』(2014年、新日本出版社、共著)、『若者よ、マルクスを読もう』(2010年、かもがわ出版、共著)など。