
芸術の秋に鑑賞する「戦争と平和」
名作の戦争論
川田忠明=著
定価1,760円(本体1,600円)
- 出版年月
- 2008年11月
- ISBNコード
- 978-4-406-05176-7
- 仕様
- 0070/ 小B6判上製/ 206P
- タグ
- 芸術・生活 文化・芸術・スポーツ
ベートーヴェンの〈第9〉は「歓喜」の曲なのに、影があるように感じませんか? 作品に刻まれた時代性を探り、戦争・平和という視点から見つめ直したとき、どんな意図や構造が現れてくるでしょうか。平和運動家の著者ならではの戦争への鋭い嗅覚で、モーツァルトからイヴ・サン=ローラン、イサム・ノグチまでを読み解きます。
目次や構成
〔目次〕
- 「まえがき」として
- I
- 描かれたレイプ……ドラクロア「十字軍のコンスタンティノポリス占拠」
- 革命・解放・モード……イヴ・サン=ローラン「シティパンツ」
- II
- 二つの大戦と演奏の意味……クライスラー「塹壕の四週間」
- 「裂け目」に生きる……西東三鬼「冬の桃」
- 祖国喪失者と「罪の意識」……イサム・ノグチ「原爆慰霊碑」
- 戦争とシステム……ブリテン「戦争レクイエム」
- 対抗する叫びの魅力……SYSTEM OF A DOWN「Boom!」
- III
- ワルツとマルス(軍神)……ウィーン・フィル「ニューイヤーコンサート」
- 二つの軍隊行進曲……モーツァルト「コジ・ファン・トゥッテ」「フィガロの結婚」
- 幻滅のなかであえぐ理想……ベートーヴェン「第九交響曲」
- 歴史からの逃走か、追跡か……ワーグナー「ニュルンベルクのマイスタージンガー」
- 「博物館」化された非西洋……ヴェルディ「アイーダ」
- IV
- 死と破壊への予感……ニューヨーク近代美術館
- 真の追悼とは何か……ペンデレツキ「ヒロシマの犠牲者に捧げる哀歌」
- 祝祭と哀悼の同時性……キリアン「ポロネーズ」
- v
- 「10人」を変えるために……マドンナ「The Confessions Tour」
- 世界を覆う「心の波」……チャペック「R.U.R.」
- 「君の名」はなぜ「自由」なのか……エリュアール「自由」
- あとがき
著者情報
川田忠明
1959年生まれ。日本平和委員会常任理事、原水爆禁止日本協議会全国担当常任理事などを務める。日本平和学会会員。東京大学経済学部卒業。著書に『それぞれの「戦争論」――そこにいた人たち1937・南京―2004・イラク』(唯学書房、2004年)、『名作の戦争論』(新日本出版社、2008年)、『社会を変える23章 そして自分も変わる』(新日本出版社、2015年)、『市民とジェンダーの核軍縮』(新日本出版社、2020年)。共著書にRalph M. Luedtke, Peter Strutynski"Neue Kriege in Sicht"〔目の前の新しい戦争〕(Jenior Verlag、2006年)、自治労連・地方自治問題研究機構編『脱日米同盟と自治体・住民――憲法・安保・基地・沖縄』(大月書店、2010年)、小沢隆一・丸山重威編『民主党政権下の日米安保』(花伝社、2011年)、多喜二・百合子研究会編『多喜二・百合子・プロレタリア文学』(龍書房、2019年)など。