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戦争と抵抗のせめぎ合う時代を射抜く新たな多喜二論

多喜二の時代から見えてくるもの 治安体制に抗して

荻野富士夫=著

定価2,750円(本体2,500円)

出版年月
2009年2月
ISBNコード
978-4-406-05225-2
仕様
0036/ 四六判上製/ 254P
タグ
人文    歴史一般   
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『蟹工船』が再び脚光をあびている現代と80年前の苛酷な労働と弾圧体制はどうつながっているのか。戦前・戦後と現代の治安体制の諸相を考える中で、抑圧する側とそれに抵抗し変革を希求する側との拮抗を、多喜二論、治安体制全般、「横浜事件」から捉え直し、「多喜二の時代」と現代を照射する労作。

目次や構成

〔目次〕

  • I  小林多喜二から見えてくるもの
  • 一  多喜二はどのようにしてプロレタリア作家・社会主義者となったのか
    • 小樽高商軍教事件を通して
    • 「折々帳」を通して
    • 「蟹工船」から見えてくるもの――持続する「憤怒」を根源として
    • 「シナリオ」の武装――多喜二と映画
  • 二  多喜二はどのように治安体制を描いたのか
    • 「暴力」と対峙する多喜二
    • 三・一五事件の連鎖
  • II  治安体制から見えてくるもの
  • 一  治安体制の概観
  • 二  総力戦下の治安体制
    • 「治安体制」の位置
    • 「治安体制」の深さと広がり
    • 「大東亜治安体制」の構築へ
    • 戦後治安体制への継続と断絶
  • III  「横浜事件」から見えてくるもの
  • 一  多喜二虐殺から「横浜事件」へ
  • 二  神奈川県警特高警察の暴走――戦時下「共産主義運動」取締と「横浜事件」
    • 「共産主義運動」の再警戒へ
    • 戦時下の神奈川県特高警察
  • 多喜二から「託されたもの」――あとがきにそえて

著者情報

荻野富士夫

1953年生まれ。小樽商科大学商学部教授。主な著書『昭和天皇と治安体制』『治安維持法関係資料集』『北の特高警察』『思想検事』『横浜事件と治安維持法』など。