
高度な専門知識を駆使してリスクマネジメントしていたはずの大手金融機関の破綻、機関投資家の巨額損失――世界金融恐慌の背景には、1970年代以降の国際金融システムの構造変化がある。ありあまる貨幣資本をどこからどのようにして蓄積し、運用されたのか。投資銀行と機関投資家を主軸とする壮大な虚構の構造を解明する。
目次や構成
〔目次〕
- 序 章 戦後資本主義の構造変化と経済の金融化
- 第1編 国民経済計算の世界と『資本論』
- 第I章 過剰な貨幣資本の蓄積と機関投資家
- 第II章 金融の証券化とアメリカ金融産業の変貌
- 第III章 岐路に立つグローバル金融システム
- 第2編 国際金融市場の投機市場化と金融危機
- 第IV章 国際金融業の変容と国際金融危機
- 第V章 ヘッジファンドと国際金融危機
- 第VI章 サブプライム問題と国際金融危機
- 終 章 国際金融恐慌と現代資本主義の課題
著者情報
高田太久吉
1944年生まれ。中央大学商学部教授。主な著書に『現代企業の支配とネットワーク』(共編著)『日中金融システム比較』(共著、いずれも中央大学出版部)『金融グローバル化を読み解く』(新日本出版社)など。

金融恐慌を読み解く 過剰な貨幣資本はどこから生まれるのか
定価2,420円
(本体2,200円)
2009年10月