
80年代以降に顕著になった現代資本主義の変容を特徴づける「金融化」。不可欠の分析概念として学派を超えて流布するが、それはどのようなものなのか。マルクス経済学の信用理論や金融資本概念と必ずしも整合しない「金融化」と呼ばれる一連の変化に焦点をあて、資本の過剰蓄積の形態、金融不安定性の原因等を考察しながら、マルクス経済学における理論的課題に挑戦する!
目次や構成
【目次】
- 第1章 現代資本主義論としての「経済の金融化」論
- 第2章 現代資本主義と「経済の金融化」
- 第3章 金融危機の要因としての過剰流動性について
- 第4章 資本の過剰蓄積と貨幣資本の過剰
- 第5章 過剰生産恐慌と「独自の貨幣恐慌」
- 第6章 金融恐慌とシャドーバンキング
- 第7章 シャドーバンキングとレポ市場
- 第8章 現代資本主義の蓄積様式とデリバティブ市場
- 第9章 国際金融危機とToo Big To Fail問題
- 第10章 マルクス経済学と「経済の金融化」論
著者情報
高田太久吉
1944年生まれ。中央大学商学部教授。主な著書に『現代企業の支配とネットワーク』(共編著)『日中金融システム比較』(共著、いずれも中央大学出版部)『金融グローバル化を読み解く』(新日本出版社)など。

マルクス経済学と金融化論 金融資本主義をどう分析するか
定価3,410円
(本体3,100円)
2015年3月