
増える無保険の人々……、国保は患者を救えるか
国保はどこへ向かうのか 再生への道をさぐる
芝田英昭=編著 尾﨑詩=著 岩下明夫=著
国民の約四割が加入し皆保険の根幹をなす国民健康保険制度が、いま危機にある。保険料の値上げと滞納者の増加という悪循環に経済格差と貧困の拡大が追い討ちをかけ、病院にかかれない人々が増えている。そのリアルな実態と制度・運用上の課題を明らかにし、誰もが安心して医療が受けられるような国保再生の方向を提案する。
目次や構成
〔目次〕
- はじめに
- 一 崩壊の危機にあえぐ国保 (芝田英昭)
- 医療保険制度における国保の位置づけ
- 国保の仕組みと保険料
- 増える保険料滞納と厳しいペナルティー
- 加入世帯の貧困化と「資格証明書」交付の義務化
- 保険料及び一部負担金の減免・猶予規定の矛盾
- 「資格証明書」交付世帯における病気の重症化
- 国保の綻びと子どもの生存権
- そもそも、保険料・一部負担金は重くないのか
- 保険料収納率アップで制度維持は可能か
- 国保は「社会保障制度」であることの再確認
- 二 ルポ 病院にかかれない人々――国保は患者を救えるか (尾﨑 詩)
- 無保険という事実
- 見えはじめた支援の輪
- 三 口腔健康破壊にみる経済格差 (岩下明夫)
- 患者の置かれた環境に着目して
- 子ども――親の経済問題が落とす影
- 青年――「自己責任」といいきれるのか
- 国保患者の実状から――治療費が払えない
- お金がない人は治療の必要がないのか?
- 四 国保受難の時代を乗り越えて――再生への提案 (芝田英昭)
- 国保再生の姿
- 社会保障とは何か
- 社会保障の統合化をめざす
- 医療全体の将来像
- おわりに
著者情報
芝田英昭
立教大学コミュニティ福祉学部教授(社会保障論)。1958年福井県出身。金沢大学大学院博士後期課程単位取得退学。博士(社会学:立命館大学)。福井県職員、西日本短大専任講師、大阪千代田短大専任講師、立命館大学産業社会学部教授を経て現職。自治体問題研究所顧問。水彩画家、社会運動家。『社会保障のあゆみと協同』(2022年、自治体研究社)、『くらしと社会保障』(2021年、日本医療福祉生活協同組合連合会)、『医療保険「一部負担」の根拠を追う』(2019年、自治体研究社)、『新版 基礎から学ぶ社会保障』(共編、2019年、自治体研究社)、『日本国憲法の大義』(共著、2015年、農文協)、『国保はどこへ向かうのか』(編著、2010年、新日本出版社)など著作多数。

国保はどこへ向かうのか 再生への道をさぐる
定価1,650円
(本体1,500円)
2010年3月
尾﨑詩
高知放送

国保はどこへ向かうのか 再生への道をさぐる
定価1,650円
(本体1,500円)
2010年3月
岩下明夫
相互歯科(東京・立川市)所長

国保はどこへ向かうのか 再生への道をさぐる
定価1,650円
(本体1,500円)
2010年3月