
未曾有の大災害、そして「安全神話」による苛酷な人災。事態から冷静に教訓を引き出し、今後の地震・津波防災にとりくむとともに、予断を許さない原発事故の収束へ、必要な手だてを急ぐ必要がある。共に生きるため、私たちには、社会には何が求められるのか。「3・11」にとりくんできた研究者・政治家による緊急出版。
目次や構成
- Ⅰ 救援・復興の現場を歩きながら―防災研究者からの提言 室崎益輝
- 1 今回の被害の新しい特徴は何か―過去の経験にとらわれず特別の対応が必要
- 2 被災者支援の緊急施策を進めつつ復興計画の議論を急ぐべき
- 3 復興をいかに国あげてのとりくみにするか
- ―震災が顕在化させた国土・社会構造のひずみを克服する
- Ⅱ 今回の大津波から考える地震・津波防災の今後 都司嘉宣
- 1 「一〇〇〇年に一度の災害」の衝撃
- 2 三陸津波防災の将来を考える
- 3 南海地震と大阪の防災
- Ⅲ フクシマ―収束への道と記憶すべきこと〔報告と討論〕 野口邦和、立石雅昭、吉井英勝
- A 何が起きたのか、何が必要か―安全神話によるゆがみが招いた事故
- 1 収束へ峠を越すために
- 2 地震と津波の想定の甘さ
- 3 二重の人災と情報隠し
- 4 放射能汚染と生活面での対応
- B 過酷事故の教訓を今後に生かすために
- 1 規制機関のあり方、防災対策を見直し原発の総点検を
- 2 安全神話と推進先にありきの研究体制を変える
- 3 「原発利益共同体」をうちやぶる契機に
著者情報
室崎益輝
関西学院大教授

震災復興の論点
定価1,540円
(本体1,400円)
2011年6月
都司嘉宣
東京大准教授

震災復興の論点
定価1,540円
(本体1,400円)
2011年6月
立石雅昭

震災復興の論点
定価1,540円
(本体1,400円)
2011年6月
野口邦和
1952年千葉県生まれ。東京教育大大学院理学研究科修士課程修了。日本大学専任講師(放射線防護学)。理学博士。『放射能事件ファイル』(新日本出版社)、『徹底解明 東海村臨界事故』(共著、同)、『共同研究 広島・長崎原爆被害の実相』(共著、同)、『山と空と放射線』(リベルタ出版)、『地球核汚染』(共著、同)など著作多数

震災復興の論点
定価1,540円
(本体1,400円)
2011年6月
吉井英勝
1942年生まれ。元日本共産党衆議院議員(近畿比例ブロック)。京都大学工学部卒業。民間企業の技術者を経て、堺市議3期、大阪府議1期、参院議員1期など歴任し、衆院議員7期。

震災復興の論点
定価1,540円
(本体1,400円)
2011年6月