
米仏に次ぐ世界第3位の原発大国・日本。福島第一原発の過酷事故は収束の見通しさえ立たないが、今も「原発推進」をやめようとしない。そもそも世界で唯一の被爆国に原発を導入し拡大させてきた“力”はなんだったのか。その歩みを日米関係から探り、大手マスコミも巻き込んだ「原発利益共同体」というべき癒着の構造に迫るルポ。
目次や構成
- はしがき
- 第一章 九電「やらせ」メール事件はなぜ起きたか
- スクープ――九電「やらせ」メール
- 「安全」より「再稼動」
- きっかけは佐賀県知事の発言
- 九電だけではなかった
- プルサーマル計画推進に躍起……ほか
- 第二章 原発の源流と日米関係
- “ラッキードラゴン”の衝撃
- 中曽根と正力――つきまとう諜報の影
- 核持ち込みへの地ならし
- 軍事優先の開発――原潜から始まった
- 原子力協定の攻防――湯川秀樹氏、抗議の辞任……ほか
- 第三章 財界の野望
- 利権最優先の推進派
- 「大なる収穫」を期待
- 「毒をもって毒を制す」
- 国家あげた産業育成
- 地域独占体制の構築
- メディア対策――「朝日」から始まった
- 第四章 追跡!原発利益共同体
- メディアを使って「安全」宣伝
- 五〇年以上前から
- 政府・米国も一体に
- 国民分断・世論懐柔の対策マニュアル
- 日本原子力文化振興財団とは……ほか
- あとがき
- 資料 〔提言〕原発からすみやかな撤退、自然エネルギーの本格的導入を 国民的討論と合意をよびかけます(2011年6月13日 日本共産党)
- 【読者の声】
- ・原発が、結局はアメリカ支配の道具であり、日本の支配層の利権あさりの道具であることがよくわかった。
- ・福島の事故以来、原発に関する本に目を通しています。本書を読んで、日本に原発がこれほど多くなった原因がわかった気がします。
- ・連載を読んでいたので、このようにまとめた本が欲しかった。
- ・連載を読めないときもあり、本書で改めて読んでみると、原発のデタラメさと恐ろしさがわかる。本当に良く調べている。