
人々の生活現実の中から権利を発見、構築する!
住み続ける権利 貧困、震災をこえて
井上英夫=著
生まれ育った地域、自分が決めた場所で住み続けたい――ささやかな、しかし切実な願いを奪う出来事が次々起きる現代社会。天災だけでなく人為的要因が引き起こす事態を、「住み続ける権利」の侵害ととらえ克服の道を展望する。住み続ける権利とは何か、どのような性格の権利か。人々のたたかいの歴史をふまえ今に生かす一冊。
目次や構成
- はじめに——グラウンド・ゼロをこえて
- 序章 本書のねらいと問題提起
- 1 今、なぜ住み続ける権利か
- 2 福祉国家と住み続ける権利
- 3 私の経験から——震災、過疎、貧困、不平等・差別問題
- 第1章 大震災と住み続ける権利
- 1 震災を見る視点
- 2 中国・四川の大震災と住み続ける権利
- 3 バンダ・アチェ、そして記憶すべきこと
- 4 東日本大震災——地震・津波・原発事故と住み続ける権利
- 5 大規模災害からの復旧、復興に向けた原則
- 第2章 貧困・不平等と住み続ける権利
- 1 生活と政策の貧困
- 2 差別・不平等と住み続ける権利
- 第3章 住み続ける権利の構造と内容
- 1 住み続ける権利とは
- 2 なぜ人権なのか——人権保障の意義
- 3 自己決定と住み続ける権利——どこまで保障すべきか
- 4 健康権と医療保障
- 第4章 自己決定と参加——住み続ける権利確立のために
- 1 人権保障と社会参加の拡大
- 2 自己決定・選択の自由と参加
- 3 被災者・住民参加による復興計画
- 4 司法参加と社会保障・生存権裁判
- おわりに——白衣が着たい
著者情報
井上英夫
金沢大学教授、同大学院人間社会環境研究科長。社会保障法、福祉政策論。1947年埼玉県出身。日本社会保障法学会代表理事、厚労省ハンセン病問題検討会委員長などを歴任。『高齢化への人類の挑戦 国連・高齢化国際行動計画2002』(萌文社)、『医療保障法・介護保障法』(共著、法律文化社)、『講座 障害をもつ人の人権 』(共著、有斐閣)など著書多数。

住み続ける権利 貧困、震災をこえて
定価1,650円
(本体1,500円)
2012年3月