
「わたしたちは、こんな歴史をもち、このような考えで、日本をどのようにしたいかを、国民のみなさんに語りかけています」——それが日本共産党の綱領。その内容を一つ一つ、具体的に解きほぐして語ったのが、この『綱領教室』です。第1巻で明らかにされる歴史では、戦前の日本社会や日本共産党の姿をリアルに紹介。「教科書」風ではなく、『蟹工船』で若い人にも馴染みとなった小林多喜二の愛情豊かなエピソードなども語られて、親近感が感じとれる読みやすさがあります。この巻での、もう一つの大きな特徴は、なぜ日本がアメリカのご機嫌をうかがって行動するようになったのかが分かること。ぜひ、読んでみてください。“こんなことがあったのか”、“こんな仕掛けが隠されていたのか”——そんな驚きに出合えます。
目次や構成
〔目次〕
- 第1回 綱領教室
- はじめにーーなぜ綱領を学ぶのか
- 他の政党と比べてみるとーー綱領をこんなに熱心に学んでいる政党はない
- 情勢を深く長い視野、世界的な視野からつかみ、未来への展望をつかむ
- 社会的発展の展望を国民多数のものに
- 第一章 戦前の日本社会と日本共産党(1)ーーなぜ戦前から始まるか
- ここには日本共産党の立党の原点がある
- 戦前の問題は、今日の問題とつながってくる
- 第2回 綱領教室
- 第一章 戦前の日本社会と日本共産党(2)
- 戦前の日本社会(1)ーー絶対主義的天皇制
- 戦前の日本社会(2)ーー侵略戦争と植民地支配
- 日本共産党の不屈の闘争について
- 第3回 綱領教室
- 第二章 現在の日本社会の特質(1)
- ポツダム宣言について
- 独立国から事実上の米国の従属国への変化
- 天皇絶対の専制政治から主権在民の民主政治への変化
- 第4回 綱領教室
- 第二章 現在の日本社会の特質(2)
- 日米安全保障条約体制ーー半世紀前に形づくられた対米従属の基本構造
- この異常な従属体制は、今日どこまできているか
- 条約第10条ーー廃棄のための国民多数派を
- 資料
- 読者の声
- ・憲法問題や沖縄基地問題が参議院選挙の重要争点になりつつあるなか、党の政策を深める点からも、今の情勢を大局的につかむためにも大きな力になります。(香川県・田辺健一さん)
- ・民主主義革命の路線への確信を培う最良のテキストだと思います。資料や図表に加えて、政府の公式資料や当事者の記録なども駆使され、息づかいが伝わるようなリアルさと説得力を感じます。(長野県・長瀬由希子さん)
- ・本書を読み、現在の対米従属政治が国民多数を欺くなかでつくられ、占領支配と戦犯政治という古いくびきから抜け出せないでいる本質を知るとき、この反動的逆流は決して押し返せないものではないと確信が持てると思います。(神奈川県・釘丸 進さん)
著者情報
志位和夫
1954年、千葉県生まれ。東京大学工学部物理工学科卒業。日本共産党幹部会委員長、衆議院議員。主な著書に、『日本共産党とはどんな党か』『人間らしい労働を』『教育基本法改定のどこが問題か』『領土問題をどう解決するか 尖閣、竹島、千島』『改定綱領が開いた「新たな視野」』など多数。