
これを読むと、元気になります!
連帯の時代 コロナ禍と格差社会からの再生
伊藤千尋=著
「連帯」──この言葉にはどのような意味が込められているのか。コロナ禍とたたかいながらも未来を楽天的に切り拓くイタリア、重い歴史を背負っていても、やはり明るく力強い明日を生み出している東欧とバルト三国、そして格差社会の極致かのようなアメリカと日本の現状から、人々の生活を豊かに再生する原動力をつかみとった書き下ろしの力作!
目次や構成
目次
- はじめに
- 第1章 自立と連帯の社会
- 1 白いマックのローマ
- 「コロナ」に音楽で対抗
- 「コロナ」から人々を守った自治体
- 戦中から戦後が始まった
- 水晶のようなパルチザン
- ムッソリーニ逮捕の陰に
- とどろく平和万歳の声
- 白いマクドナルド
- 米軍基地も支配下に
- 2 赤い街ボローニャ
- レジスタンス都市
- 労働者の国
- 学生が大学をつくった
- 国をあげての協同組合
- 障がい者のレストラン
- 住民自治の精神
- 権力を人民に近づける
- 日本に、もっと自治と連帯を
- 日本の「人民の家」
- 国民投票で法律を変える
- 3 花の都フィレンツェ
- 世界と人間の発見
- 文化の街の感染症
- すべての真実は胃袋を通過する
- スローフード運動
- 人生にはロマンが必要だ
- コロナ禍に対抗する連帯
- 第2章 連帯が抑圧社会を覆した
- 1 ドイツ─勇気を奮い起こした人々
- 「コロナ」で見せたドイツの知恵
- 壁を叩き壊す市民
- 手違いから開いたゲート
- 50万人集会
- 「平和な革命」を祝う30周年
- 戦争責任をとる政府
- 自由を望み勇気を持つ
- 革命の首都ライプチヒ
- 非暴力の月曜デモ
- 5人の若者の訴え
- 決定的な日
- 勇気を出した20人
- 2 チェコ─自由な言葉を求めて
- 革命の現場チェコへ
- ビロード革命
- 豊かな社会主義
- 精神の自由を愛する気風
- 思い起こし行動しよう
- 広場のように話し合う
- 3 ポーランド─「連帯」による抵抗
- 最初は一人の女性から
- 「連帯」のたたかい
- 勝つためには友をつくること
- 秘密警察の恐怖
- 第3章 歌と人間の鎖で連帯した人々
- ─バルト三国─
- 1 バルトの大地へ
- 歌と連帯が武器に勝った
- 樺太より北の地
- 命のビザの舞台
- 人道・博愛精神第一
- ロシア正教の信者として
- 日曜日は書かなかった
- 2 ロシアとドイツのはざまで
- ソ連による占領
- KGBの暗躍
- ソ連への反抗
- 人間の鎖をたどる
- 翻る三色旗
- エストニアにも足形
- 3 歌う革命
- 30万人の歌声
- 歌の伝統
- 歌の国ラトビア
- 自然と融合して生きる
- 今こそ歌おう
- 新たなロシアの脅威
- 死と太陽
- 前を向いて歩く民
- 終章 分断の新自由主義から連帯の時代へ
- ─世界から日本へ─
- 1 「コロナ」から見える不平等社会
- 「コロナ」で広がる格差
- 人種で犠牲者に違い
- 新自由主義経済の不平等
- 「無」医療国家アメリカ
- 欧州の医療態勢
- キューバの医療
- 日本は?
- 2 新自由主義に立ち向かう世界
- アメリカの変化
- 社会主義に共感する若者
- 社会は存在する─イギリス
- 新自由主義の限界
- 連帯と団結の違い
- 3 連帯する日本の市民運動
- インターネットの威力
- もうたくさんだ
- デジタル・デモクラシー
- 能力を出し合う
- グレタの法則
- おわりに
著者情報
伊藤千尋
1949年、山口県生まれ。東京大学法学部卒業。74年に朝日新聞に入社。サンパウロやバルセロナ、ロサンゼルスの支局長などを歴任。2009年に定年を迎えたが再雇用で同紙の「be」編集部で勤務を続けている。主な著書に『凜とした小国』『9条を活かす日本』(ともに新日本出版社)、『反米大国』(集英社新書)、『燃える中南米』(岩波新書)など多数。

連帯の時代 コロナ禍と格差社会からの再生
定価1,870円
(本体1,700円)
2020年11月