
求人は非正規雇用ばかり、「格差社会」の先に待つのは低年金。国は社会保障を切り捨てながら軍事費拡大――こんな社会になったのはなぜ? 日本社会は、誰が、どう支配しているのか? 国会議員時代に考えていた問題意識から日本の「財界」に関する研究を続けてきた著者が、歴史と最近の動向をふまえわかりやすく解明します。
目次や構成
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はじめに
- 第1章 支配者はどのような姿をしているのか
- 1 大企業とは何か
- 2 六大企業集団はなぜ「崩壊」したのか
- 3 経団連と企業集団はどのような関係にあるのか
- 第2章 財界はなぜつくられどう変わったか
- 1 経済団体の創設と侵略戦争
- 2 戦後、経団連の発足
- 3 巨大化と多国籍企業化
- 4 アメリカ主導による調整の仕組み
- 5 外資による支配はどこまですすんだか
- 6 新自由主義が格差をいっそう拡大した
- 第3章 新自由主義は強権国家を求める
- 1 保守層にも広がる国民の抵抗
- 2 「政治改革」に夜民意の切り捨て
- 3 橋本「行政改革」で官邸機能を強化
- 4 首相官邸が高級官僚の人事権をにぎる
- 5 内閣情報調査室、公安警察、公安調査庁の危険な役割
- 6 集権的国家づくりは臨調からはじまった
- 第4章 支配勢力が国家機構を動かす仕掛けとは
- 1 政策提言と与党への直接の働きかけ
- 2 「司令塔」に入り込む
- 3 「天下り」を受け入れ癒着を求める
- 4 「天下り」で官邸に人材を送り込む
- 5 政治献金による支配
- 第5章 国民の財産は誰のために消えたのか
- 1 年金が減らされている
- 2 家計から企業への所得移転をひきおこした低金利
- 3 銀行への公的資金はどのように投入されたか
- 第6章 財界とアメリカはなぜ「戦争する国」にしたいのか
- 1 戦争できる国づくりへの大転換
- 2 軍需産業四団体と経団連
- 3 「経団連ビジョン」にみる軍拡路線への傾斜 おわりに
著者情報
佐々木憲昭
1945年、北海道生まれ。1996~2014年、6期18年にわたり日本共産党衆議院議員を務める。主な著書に『財界支配――日本経団連の実相』(2016年、新日本出版社)、『変貌する財界――日本経団連の分析』(2007年、同前)、『どうみる世界と日本の経済〈改訂版〉』(1988年、同前)、『おしよせる大失業』(1987年、同前)、『転換期の日本経済』(1983年、同前)、『暮らしのなかのエネルギー危機』(1981年、同前)、『現代エネルギー危機論』(1978年、同前)

日本の支配者
定価2,200円
(本体2,000円)
2019年11月