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「自己肯定感」で読み解く子どもの心とおとなの生き方!

生きることと自己肯定感

高垣忠一郎=著

定価1,650円(本体1,500円)

出版年月
2004年7月
ISBNコード
978-4-406-03097-7
仕様
0037/ 四六判並製/ 220P
タグ
芸術・生活    教育   
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いま、家庭や学校・社会のなかで押しつぶされ悲鳴をあげている子どもたち。著者は、「自分が自分であって大丈夫」という自己肯定感の大切さを伝えたいと、自らの体験とカウンセリングの実例を紹介しながら、やさしく語りかけます。迷い道に入りこんだ子どもの心と自信を失いかけているおとなの心が新しい生き方を求めて感動的に響きあいます。

目次や構成

  • はじめに
  • 第I部  子どもの問題と自己肯定感
         −「魂(いのち)の故郷」をもっていますか?
    • 1 子どもの問題とどう向き合うか

      「子ども観」を確かなものに/「切れる」問題をどう見るか/子どもを理解する視点/自分の心に問いかけて考えてみる/切れている「苦しみを共有し、共に悩む関係」/子どもを見る「共感の目」と「評価の目」/「アメとムチ」と「やさしさときびしさ」

    • 2 子どもの「パニック」「攻撃」と「不安・恐怖」

      私の「閉塞感」の発作と「守護神」/「闘争=逃走体勢」と「不安・恐怖」とイメージ/私の「守り手」/「守られていない」日本の子ども/見捨てられる恐怖

    • 3 「守りの枠」のない子どもたち

      枠からはみ出す子・枠を求める子/「枠」というものの持つ意味/子どもたちの成長に必要な枠/家庭が「守りの枠」になっていない子どもたち/きちんと「叱る」ことも守り

    • 4 子どもの「心の問題」と自己肯定感

      思春期の「第二の誕生」と自己肯定感/自己肯定感の欠如がもたらすさまざまな問題/「よい子」の問題・病理

    • 5 自己肯定感を感じさせない社会の病理

      心(気持ちや感情)を見捨てる/「心の見捨て」を起こしやすい競争社会/競争社会と子育ての問題/子どもを「乱用」する社会と子育ての問題/現代社会と「万能感」

  • 第II部  生きることと自己肯定感
         −「さようなら」と「こんにちわ」の峠
    • 1 「さようなら」と「こんにちは」を生きる

      「古い自分」に「さようなら」をする力=死ぬ力/しがみつかずに、変わることを受け容れる力/「さようなら」は水に流して忘れることではない/歴史の過ちを繰り返さないこと/「新しい歴史教科書をつくる会」のねらいは?/日本の国に「誇り」を感じられないのはなぜなのか?/「さようなら」をすることを避けて通る美しくない姿/日本人は戦争に「さようなら」をしたのだろうか?

    • 2 人は自分の物語を創りながら生きる

      「共生時代」の生き方を支える「物語」/子どもの心の発達は「各駅停車」/長男の「さようなら」と「こんにちは」物語/「さようなら」は断絶ではない/喪失の現実を直視して深く悲しむことをしない時代/「喪失の深い悲しみ」と「物語」の関係/死が人生を物語にする/生きることは不断に自分をつくり変えていくこと/母の臨終と「物語」

    • 3 「人生を生きること」と自己肯定感

      自己肯定感と人生の危機/一度「壊れ」「墜落」して知る自己肯定感/試行錯誤のなかから生まれる自己肯定感/失敗してゆるされ、「大丈夫」と感じる体験から生じる自己肯定感

  • 第III部  平和と自己肯定感
         −「大きな存在」に身をゆだねる
    • 1 平和と「心の教育」と子どもの心

      平和憲法を守るのは日本国民の天命/「心の教育」は「平和の心の教育」であるべきだ/「心の平和」を/平和のための「心の教育」とは?/「心の教育」の素性とねらい/子どもの「問題」の解決と「愛国心」の育成をつなぐ「自己肯定感」

    • 2 「自分が自分であって大丈夫」という自己肯定感

      「自分が自分であって大丈夫」とは?/「大きな存在」に身をゆだねて/生物学から学ぶこと/自己肯定感と他者との関係性/「サイエンス的向き合い方」と「ケア的向き合い方」/自己肯定感の文化的差異/日本の子どもの自己肯定感の何が問題か/セルフ・エスティームと自己肯定感

    • 3 二つの「自己肯定感」と日本のゆくえをめぐって

      「自分を愛する心」とナルシスチックな「自己愛」/「心のノート」にいだく危倶/「共感的自己肯定感」と「競争的自己肯定感」/タイタニックの悲劇を再現しないために

  • あとがき

著者情報

高垣忠一郎

心理臨床家。1944年高知県生まれ。1968年京都大学教育学部卒業。専攻は臨床心理学。京都大学助手、大阪電気通信大学教授、立命館大学大学院教授などを歴任し2014年3月退職。登校拒否・不登校問題全国連絡会世話人代表。主な著書は次の通り。『揺れつ戻りつ思春期の峠』(1991年)、『生きることと自己肯定感』(2004年)、『競争社会に向き合う自己肯定感』(2008年)、『登校拒否を生きる』(2014年)、『生きづらい時代と自己肯定感』(2015年)、『つい「がんばりすぎてしまう」あなたへ』(2017年)、『自己肯定感を抱きしめて』(2018年)、『悩む心に寄り添う』(2021年)(以上はいずれも新日本出版社)、『自己肯定感って、なんやろう?』(2008年、かもがわ出版)、『ガンを抱えてガンガーへ』(2002年、三学出版)