
異形化する労働と生活―これを放置していいか
仕事と生活が壊れていく シンポジウム「日本の勤労者」
「経済」編集部=編
正社員が減らされ非正規雇用が拡大する一方、労働時間は拡大し続ける――90年代後半以降の明らかな変化は何を意味するか。勤労者の生活実態、労働組合の活動、過労死、失業とホームレス、パート・派遣・フリーター、「賃金破壊」など、多角的な分析視角から、まともな経済と社会のあり方を探求する。
目次や構成
[目次]
- はじめに
- 第1回 日本の勤労者―その労働と生活
- 一 今日の勤労者・労働者の状態はそんな特徴があるか 小越洋之助
- 二 労働組合運動からみた日本の労働者の動向 大木寿
- 三 加速化する勤労者生活の悪化の実態 唐鎌直義
- 四 スウェーデンとの比較でみた日本の勤労者 猿田正機
- 討論
- 第2回 過労死・過労自殺はなぜなくならないのか
- 一 過労死・過労自殺からみた日本の勤労者 川人博
- 二 過労死・過労自殺と労働組合運動 佐々木昭三
- 三 精神科医からみた勤労者の心の負担 中澤正夫
- 四 アメリカの労働者=『窒息するオフィス』 森岡孝二
- 五 スウェーデンからみた「過労死・過労自殺」 猿田正機
- 討論
- 第3回 失業者、ホームレス、公的扶助
- 一 「失業」問題からみた勤労者の労働と生活 大須眞治
- 二 ホームレス問題からみた勤労者の労働と生活 川上昌子
- 三 釜ヶ崎日雇労働市場からみた失業・雇用問題
―「ホームレス」問題に隠されているものは何か 海老一郎 - 四 生存権保障と日本の公的扶助―イギリスとの比較において 唐鎌直義
- 討論
- 第4回 増えるパート、派遣、そしてフリーター
- 一 不安定就業労働者の増加をどうみるか 史岡朋道
- 二 フリーターの増大をどうみるか 小林宏康
- 三 アメリカの非正規雇用とスタッフィング産業 仲野組子
- 四 労働組合運動からみた不安定雇用労働者 大木寿
- 討論
- 第5回 「年収三〇〇万円時代」を考える
- 一 経済のグローバル化と「賃金破壊」戦略 牧野富夫
- 二 男女間賃金格差の構造とその要因及び改善策 清山玲
- 三 自営業者の状態と低い自家労賃 金澤誠一
- 四 不安定雇用の拡大と全国一律最低賃金制 小越洋之助
- 討論
- 第6回 日本の勤労者―その状態と改革の課題
- 一 日本の勤労者の今日の状態をどうみるか
- 二 日本の労働改革の位置づけと課題
- 三 わが国における労働者のたたかいはどうだったか
- 四 たたかいの契機、前進の条件はどこにあるか
著者情報
「経済」編集部

仕事と生活が壊れていく シンポジウム「日本の勤労者」
定価1,870円
(本体1,700円)
2004年6月