
儲かれば何をやってもいい――そんな風潮が振り撒かれ、新手の経済犯罪や人の道を外れた企業行動が後を絶たない。いったい何がおきているのか……。その実相を、偽装請負、多重債務、福祉や医療の民営化、夕張市財政破綻問題などの独自調査をもとに鋭くかつ温かな目線で告発する、日本版・新自由主義の実録書。
目次や構成
〔目次〕
- はじめに
- 第1章 新自由主義という怪物
- 1 新自由主義の「自由」は、だれの自由?
- 個人の自由としての自由主義
- 新自由主義の「自由」は大企業のもうけの自由
- 新自由主義は個人の自由を侵害する
- 2 新自由主義のまやかし
- 市場は神か
- まゆつばものの「小さな政府」論
- 3 新自由主義はアメリカもどき
- 日本の新自由主義はどのように始まったのか
- 新自由主義「構造改革」は日米財界の共同要求
- 1 新自由主義の「自由」は、だれの自由?
- 第2章 人間はコスト
- 1 青年を食いものにする大企業と巨大請負グループ企業
- 命の「値段」
- 「闇夜のカラス」―クリスタル
- 仲間の人間性をうばうな
- 千の風になって―母のおもい
- 追いつめられるクリスタル
- 非正規雇用をどうする―たたかいはこれから
- 2 新自由主義のめざす労働世界
- 労働分配率の語るもの
- めざすはアメリカの労働世界
- 1 青年を食いものにする大企業と巨大請負グループ企業
- 第3章 格差・貧困と多重債務
- 1 日本の化け物 ―サラ金
- 奄美発、「生きる」
- 多重債務問題の本質
- だれが「グレーゾーン金利」をつくったのか
- 「グレーゾーン」見直しへ ―高まる世論と運動
- 「グレーゾーン」撤廃の流れをつくる
- アメリカの圧力と自民党族議員の巻き返し
- あきらめない
- 貧困打開こそ
- 2 新自由主義と格差・貧困の拡大
- 格差「先進国」―アメリカ、イギリス、日本
- 所得格差の拡大
- 所得再分配機能の低下
- 3 日本で何が起きているか
- 崩れる日本の累進課税
- マネー資本主義が生む格差
- 1 日本の化け物 ―サラ金
- 第4章 「官から民へ」の正体
- 1 福祉はマーケット
- 福祉が人権でない世界 ―アメリカの医療
- お年寄りも青年も食いものにしたグッドウィル・グループ
- 2 医療が危ない
- 医療「構造改革」の目的
- 「利権屋」会議
- 「病院ファンド」の暗躍
- 3 国有地に群がるハイエナたち
- 「大手町開発」の怪
- 平成の「殖産興業」
- 1 福祉はマーケット
- 第5章 金融資本の悪行
- 1 もうけのためなら何でもやる
- 死差益をめざして―生命保険不払いの背景
- 認知症のお年寄りを餌食(えじき)にする大手信販会社
- 2 夕張市を食いものにした大銀行
- 夕張市の財政破綻(はたん)
- 悪い奴ほどよく眠る
- 1 もうけのためなら何でもやる
- 参考文献
- あとがき
著者情報
大門実紀史
1956年京都生まれ。日本共産党参議院議員。著書に『「属国ニッポン」経済版』(2003年)、『新自由主義の犯罪』(07年)、『ルールある経済って、なに?』(10年)、いずれも新日本出版社刊。

新自由主義の犯罪 「属国ニッポン」経済版 2
定価1,870円
(本体1,700円)
2007年10月