
金融危機も世界同時不況も貧困の拡大も、儲かれば何をやってもいいというルールなき資本主義の結末でした。そもそもルールとはなにか? 日本における“社会的公正”実現の道はどこにあるのか? 人間の権利とくらしをまもり、不平等をなくし、企業が健全に発展できる、そんな日本経済のあり方を、一緒に考えてみませんか。
目次や構成
〔目次〕
- はじめに
- 第一章 ルールなき資本主義――日本の現実
- おびやかされる生存権
- 青年を食いものにする大企業
- ヨーロッパの所得保障制度
- シングルマザーのねがい
- ヨーロッパのシングルマザー支援
- 人間を使い捨て
- ノルマを達成しないと解雇
- 最高裁の不当判決――それでも歴史は動く
- 契約社員700人を、おどして派遣社員に
- 正社員が当たり前の社会に向けて
- ヨーロッパの非正規雇用
- ヨーロッパの労働時間と解雇規制
- 広がる貧富の格差
- 貧困率も富裕層も、日本は先進国で第二位
- 貧困をなくそうとしない日本
- おびやかされる生存権
- 第二章 社会的公正(ソーシャル・ジャスティス)をめざして
- ヨーロッパと社会的公正
- 蜂の寓話
- 資本主義とルール
- ILOと社会的公正
- フィラデルフィア宣言
- 「ヨーロッパ・デー」
- 社会的公正か、新自由主義か
- 労使共同決定主義
- 労働組合の力
- EU議会の力関係
- 日本における社会的公正
- 日本国憲法と社会的公正
- 生存権をまもるルール
- 人間らしくはたらけるルール
- 所得再分配のルール
- 「成長か、社会的公正か」――新自由主義のごまかし
- ヨーロッパと社会的公正
- 第三章 ルールある経済こそ、くらしと日本経済を再建する道
- ルールある日本経済へ
- 日本経済のゆがみ
- 過剰生産恐慌と金融危機の結合
- これからの経済のあり方
- 大企業の過剰な内部留保を国民に還元させる
- 企業の健全な発展のためにもルールは必要
- マネー資本主義との対決
- マネー資本主義
- ガソリンはなぜ高騰したのか
- 賃金をおさえ、リストラを要求する投機マネー
- 世界金融危機 1)バブルの公式「神話+投機マネー=バブル」
- 世界金融危機 2)マネーゲームの主役・投資銀行
- 世界金融危機 3)負の連鎖がとまらない
- 世界金融危機 4)リーマン破綻から世界同時不況へ
- 投機マネー規制と社会的公正
- ルールある日本経済へ
- おわりに――たたかってこそ
- 参考文献
著者情報
大門実紀史
1956年京都生まれ。日本共産党参議院議員。著書に『「属国ニッポン」経済版』(2003年)、『新自由主義の犯罪』(07年)、『ルールある経済って、なに?』(10年)、いずれも新日本出版社刊。

ルールある経済って、なに? 社会的公正と日本国憲法
定価1,650円
(本体1,500円)
2010年4月