
戦争は悲惨、でも平和はユートピアか!?
シェイクスピアの戦争・平和学
小田島雄志=著
シェイクスピアの時代から21世紀に至っても戦争は続いている。テレビに映るその映像にリアリティーは感じられなくても、シェイクスピア作品が描く、戦争の痛み、民衆、兵士、王の叫びが、今も心を揺り動かすのはなぜか――。自らの戦争体験も交えて、シェイクスピアが問う戦争の原点、その平和観を現代に読み解く。
目次や構成
〔目次〕
- はじめに
- I章 シェイクスピアが描いた戦争と人間
- 戦争は悲惨である
- 戦争のヒロイズム、そのパロディー
- シェイクスピアの平和観―それはユートピアか?
- 平和は惰眠、和解は狂気
- 民衆の知恵、付和雷同
- シェイクスピアの戦争と平和学
- II章 台詞の中の戦争・平和学
- III章 戦争体験の原点とシェイクスピア
- 「五族協和・王道楽土」の中心地で
- 戦後日本で「戦争」の実相を知る
- 再び〈もしも〉の偉大な力
著者情報
小田島雄志
1930年生まれ。東京大学名誉教授、東京芸術劇場名誉館長。著書に『ことばの魔術師井上ひさし』(共著2013年、岩波書店)、『ぼくは人生の観客です』(2012年、日本経済新聞社)、『シェイクスピアの恋愛学』(2010年、新日本出版社)、『シェイクスピアの戦争・平和学』(2008年、同)、『シェイクスピアの人間学』(2007年、同)など。

シェイクスピアの戦争・平和学
定価1,540円
(本体1,400円)
2008年7月