
人間に心があるとすれば、それは愛するためにあるのです。
シェイクスピアの恋愛学
小田島雄志=著
シェイクスピアが描いたさまざまな愛の姿――「突っ走る青春の愛」「夢が実を結ぶ愛」「揺らぎ、迷う成人の愛」とは何か。劇作家としての充実期である三十代から四十代前半期の作品を中心に、彼の成長・円熟のプロセスと軌を一にした恋愛観の深化を豊かに読み解く。小田島シェイクスピア・シリーズ第3弾。
目次や構成
- Ⅰ章 シェイクスピアの実人生の女性像
- Ⅱ章 突っ走る青春の愛
- Ⅲ章 夢が実を結ぶ愛――青年から大人へ
- Ⅳ章 揺らぎ、迷う成人の愛
- Ⅴ章 ちょっと気になる愛の台詞
仲代達矢さんの推薦
この書をふと手に取ってみた時、仄(ほの)かに言い知れぬものが体の底から湧いて来た。それは、この演劇界に長く住み慣(なら)わすうちに、何げなく通り過ぎてしまっているもの、あるいは、遠い昔に置き去りにしたものとでも言うのだろうか、そうしたものを、新鮮な慄(おのの)きをもってあらためて思い知らされたからである。
著者情報
小田島雄志
1930年生まれ。東京大学名誉教授、東京芸術劇場名誉館長。著書に『ことばの魔術師井上ひさし』(共著2013年、岩波書店)、『ぼくは人生の観客です』(2012年、日本経済新聞社)、『シェイクスピアの恋愛学』(2010年、新日本出版社)、『シェイクスピアの戦争・平和学』(2008年、同)、『シェイクスピアの人間学』(2007年、同)など。

シェイクスピアの恋愛学
定価1,650円
(本体1,500円)
2010年10月