
「戦争協力画」を拒否し、熱きなにものかを放ちつづけた魂の源泉に迫る!
戦没画家 靉光(あいみつ)の生涯 ドロでだって絵は描ける
窪島誠一郎=著
太平洋戦争という自由が押し殺された戦時下、多くの芸術を志す人々が暮らした「池袋モンパルナス」で稀有な才能を開花させていった靉光。画布に真摯に向き合っただけでなく、従軍時も軍隊の非人間的な日常に抗し、敗戦後の中国上海の野戦病院でも上官の反感をかって「餓死」という悲愴な最期を遂げた――その生涯を陰影ぶかく描く。
目次や構成
〔目次〕
- 戦没画家・靉光の生涯 ――「絵」と「戦争」と「人間」と――
- 夢しぐれ東長崎バイフー寮(演劇台本) ――ドロでだって絵は描ける――
著者情報
窪島誠一郎
1941年東京生まれ。印刷工、酒場経営などを経て、64年東京世田谷に小劇場「キッド・アイラック・アート・ホール」を設立、79年長野県上田市に夭折画家のデッサンを展示する私設美術館「信濃デッサン館」を、97年に戦没画学生慰霊美術館「無言館」を設立した。執筆活動では、NHKでテレビドラマ化された、実父水上勉との再会を綴った『父への手紙』(筑摩書房)のほか、『「無言館」の坂道』『雁と雁の子』(平凡社)、『漂白・日系画家野田英夫の生涯』(新潮社)、『「無言館」ものがたり』(講談社)、『「無言館」への旅』(白水社)、『石榴と銃』(集英社)など著書多数。第46回産経児童出版文化賞、第14回地方出版文化功労賞、第7回信毎賞を受賞。「無言館」の活動で第53回菊池寛賞を受賞。

戦没画家 靉光(あいみつ)の生涯 ドロでだって絵は描ける
定価1,980円
(本体1,800円)
2008年11月