
GDPなどの言葉でお馴染みの、現在の経済政策を立案するために欠かせない「国民経済計算」。社会全体の再生産の仕組みを解き明かす、この実際的手法を、マルクス経済学の立場から捉え直し、活用するための理論的啓蒙書。管理通貨制度がもつ理論的根源を押さえ、徳政令的方法による累積国債の削減についての試論なども展開する。
目次や構成
〔目次〕
- 第I部 国民経済計算の世界と『資本論』
- 国民所得分析の性格と『資本論』
- 国民所得分析の勘どころ
- 国民経済のマクロ管理と国民所得分析
- 国民経済計算と定型分析図例
- 第II部 国民経済計算を活用するために
- 国民経済の「生産の大きさ」をどう捉えるか
- 国民経済の「所得の大きさ」をどう捉えるか
- 国民経済の「支出の大きさ」をどう捉えるか
- 生産・所得・支出概念のどのような点が不十分なのか
- 輸出入は生産・所得・支出の概念にどう取り込まれるか
- 間接税は生産・所得・支出の概念にどう取り込まれるか
- 国民経済を部門分割して捉えるにはどうするか
- 現行国民経済計算の勘定科目
著者情報
川上則道
1943年生まれ。都留文科大学名誉教授。主な著書に、『日本経済はどう変わるか』(共著、1977年、東研)、『国民所得論再入門』(1984年、時潮社)、『高齢化社会は本当に危機か』(共著、1989年、あけび書房。第15回野呂栄太郎賞受賞)、『「資本論」の教室』(1997年)、『「資本論」で読み解く現代経済のテーマ』(2004年)、『マルクスに立ちケインズを知る』(2009年)〔以上、新日本出版社〕など。

マルクスに立ちケインズを知る 国民経済計算の世界と『資本論』
定価2,200円
(本体2,000円)
2009年9月