
100周年を機に、「韓国併合」とはなんだったかを考える本。繰り返される「侵略美化」「合法」の議論を念頭に、戦後日本の歴史認識を秀吉の「朝鮮征伐」にも遡って捉えなおし、歴史の進歩の到達点に立った誠意ある反省と清算の先にこそアジア各国との真の相互信頼が生まれることを展望する、著者渾身の遺作。
目次や構成
〔目次〕
- はじめに――事実を国民の常識に
- 序章 日本の朝鮮侵略にかかわる各地の記念施設を巡って
- 豊臣秀吉・加藤清正の朝鮮侵略戦争をめぐって
- 明治政府の侵略に反対し、たたかった愛国者の碑
- 第1章 「韓国併合」とはなんだったか
- 「韓国併合条約」の条文に見る偽り
- 練り上げられた「併合」という用語
- 韓国併合は「帝国百年の長計」と閣議で決定
- 神功皇后・豊臣秀吉を受け継ぐものと本音を吐いた寺内正毅初代総督
- 明治政府指導者が受け継いだ侵略的思想
- 神功皇后と豊臣秀吉の夢とは
- 第2章 戦後日本と「併合条約」
- ポツダム宣言尊重か否定か、で対立した戦後の日韓関係
- 日韓交渉と日韓国会にみる日本政府の「歴史認識」
- 1990年代の一定の「反省発言」と侵略戦争肯定勢力の反撃
- 戦後50周年「村山談話」と「韓国併合」
- 第3章 法的にも明確にし、100年来の課題に決着を
- 100年間、不当、不法を叫び続けている韓国・朝鮮と日本
- 国際的に「違法」論があったことをどう見る
- 加害者と被害者を念頭において――加害者日本が考えるべき立場
- 歴史の進歩・発展にそって
- 進歩をめざす歴史の大勢に順った朝鮮人民の運動と、逆らった日本帝国主義――3.1運動90周年に思う(2009年3月1日、ソウルでの講演)
- 【解題】中塚 明(奈良女子大学名誉教授・日本近代史専攻)
著者情報
吉岡吉典

「韓国併合」100年と日本
定価2,200円
(本体2,000円)
2009年11月