
2000年に発覚した捏造事件の検証成果をふまえ、旧石器・縄文という枠を超えた「石器時代」の視点で日本列島の人類史にせまる試み。石器時代人が残したモノを科学的に追跡すると、移動生活を営み環日本海をヒトもモノも行きかった旧石器、自然物に頼る不安定さを内包しつつ定住によって生産性が飛躍した縄文の姿が浮かび上がります。
目次や構成
- 〔目次〕
- はじめに
- 第1部 石器時代編……安蒜政雄
- 第1章 日本人類文化のあけぼの
- 1 旧石器時代の世界
- 2 旧石器時代の遺跡の成り立ち
- 3 日本列島の旧石器時代研究
- 第2章 黒曜石原産地の開拓とオブシディアン・ロード
- 1 黒曜石原産地の開拓
- 2 日本列島を往来したヒトとモノ
- 3 オブシディアン・ロードと東アジア黒曜石文化
- 第3章 日本旧石器時代の系譜と構造
- 1 日本旧石器時代の系譜
- 2 日本旧石器時代のイエとムラ
- 3 日本旧石器時代の系譜
- 4 旧石器時代から縄文時代へ
- 第2部 縄文時代編……勅使河原 彰
- 第4章 縄文文化の誕生
- 1 縄文文化成立の諸段階
- 2 縄文文化の成立とその歴史的な位置
- 第5章 縄文文化の生業と特質
- 1 竪穴住居の出現と定住集落の形成
- 2 新しい環境の創造
- 3 生業と分業の特質
- 第6章 縄文人の社会
- 1 住居と集落
- 2 集落と村落
- 3 縄文時代の社会構成
- 第7章 縄文文化の展開と終焉
- 1 東西日本の地域差
- 2 縄文文化の発展をささえたもの
- 3 安定と不安定
- 4 縄文から弥生へ
- おわりに
著者情報
安蒜政雄
1946年、千葉県生まれ。1978年、明治大学大学院博士課程修了(文学博士)。専攻は日本考古学(主に旧石器時代)。現在、明治大学文学部教授。主な著書に、『旧石器時代の日本列島史』(2010年)、『住まいの考古学』(共著、2007年)、『考古学の最前線』(共著、2003年、以上は学生社)、『考古学キーワード(改訂版)』(編著、2002年、有斐閣)など。

石器時代史への挑戦
定価2,750円
(本体2,500円)
2011年12月
勅使河原彰
1946年、東京都生まれ。1975年、明治大学文学部卒業。専攻は日本考古学(主に縄文時代)。現在、文化財保存全国協議会常任委員。主な著書に、『歴史教科書は古代をどう描いてきたか』(2005年、新日本出版社)、『縄文文化』(1998年、新日本新書)、『日本考古学の歩み』(1995年、名著出版)、『日本考古学史――年表と解説』(1988年、東京大学出版会)など。

石器時代史への挑戦
定価2,750円
(本体2,500円)
2011年12月