
世界各地を取材してまわる特派員人生。辺境を東奔西走して出会った人びとは、複雑怪奇な世界情勢の荒波にもまれつつもしたたかに生き、強烈に自分の主張を訴え、貧しいながら輝く心をもっていた。日本の私たちはどうだろう? カネ儲けだけじゃない、真に豊かな社会をみんなの力で手に入れようゼ!と励まされる応援歌的紀行文です。
目次や構成
- 〔目次〕
- 南米の南端パタゴニアの氷河から
- 環境が破壊された、ボルネオの熱帯雨林から
- 北欧アイスランド、大地が生まれる島から
- 赤道直下、南米沖の南大西洋上の捕鯨船から
- 東欧ルーマニア、ドナウ河支流の河原から
- 流浪の民の故郷、パキスタンの砂漠地帯から
- 日露戦争の舞台、旅順で考えた
- 米国西部深奥の大平原から
- 南太平洋の巨石文明の島、イースター島から
- ユーラシア大陸の西端、ロカ岬から
- 植民地状態から自立へ、パナマ運河から
- 騒乱の北アフリカ、日の没するカサブランカから
- 北米の西端ベーリング海峡の島から
- 恐竜と文明が壊滅した、中米ユカタン半島から
- 北欧のフィヨルド、バイキングの故郷から
- 「太陽の汗、月の涙」、南米アンデスから
- あとがき
著者情報
伊藤千尋
1949年、山口県生まれ。東京大学法学部卒業。74年に朝日新聞に入社。サンパウロやバルセロナ、ロサンゼルスの支局長などを歴任。2009年に定年を迎えたが再雇用で同紙の「be」編集部で勤務を続けている。主な著書に『凜とした小国』『9条を活かす日本』(ともに新日本出版社)、『反米大国』(集英社新書)、『燃える中南米』(岩波新書)など多数。