
高度に爛熟した資本主義が21世紀に迎えた危機と転機。日本の今後を探るにはあらためて戦後の日米関係を見直す必要がある。『現代帝国主義研究』未収録の総括表を含む、現代を把握するための労作。さらに『資本論』をヘーゲルの本質論をふまえて読み直し恐慌を論じた章、アリストテレスらの方法論のエッセンスを紹介した章も。
目次や構成
【目次】
- 本 章 本書の問題意識
- 第1章 現代の帝国主義と日米関係ーー『現代帝国主義研究』への追記
- 1 『現代帝国主義研究』1988年から15年たったが
- 2 対米従属下での日本の帝国主義的展開
- 補論 日本の「デフレ」不況を考える
- 発展途上国にかんする二つの総括表ーー付表1、付表2
- 資料 中東の100年の概略
- 第2章 マルクスの恐慌論を考える
- 1 第3部「第3篇 資本主義的生産の発達における一般的利潤率の傾向的低下の法則から」
- 2 第2部第3篇「社会的総資本の再生産と流通」と第3部第5篇5信用、架空資本から
- 3 世界市場と恐慌
- 補論 マルクスの草稿による第3部の題目、第3篇の題目について
- 第3章 科学の方法論をめぐってーー『マルクス「資本論」とアリストテレス、ヘーゲル』について
- 1 マルクスの商品分析とヘーゲルの分析的認識
- 2 反省的思考ーーヘーゲル「本質論」の第1の特徴
- 3 本質の規定は三つの段階をふんで高めてゆくーーヘーゲル「本質論」の第2の特徴
- 4 弁証法ーーヘーゲル「本質論」の第3の特徴
- 5 マルクスのアリストテレスからの発想?
- 6 アリストテレスへのわが驚き
著者情報
工藤晃
1926年生まれ。東京大学理学部卒業。元日本共産党衆院議員。『マルクスは信用問題について何を論じたか』『現代帝国主義研究』『混迷の日本経済を考える』(いずれも新日本出版社)など著書多数。

現代帝国主義と日米関係
定価2,420円
(本体2,200円)
2013年7月