
緊急対談!! 本当に知りたい新型コロナの話
医療現場からみた新型コロナウイルス
香山リカ=著 徳田安春=著
新型コロナウィルスの世界的流行は、深刻な危機をもたらしている。日本では感染症対策と治療の主役である医療現場で正式のガイドラインもなく、受診できない状況にもおちいった。政府の初動対応の問題、なぜ検査が進まないのかなどを、最前線の現場で活動している専門医の目で検証し、今後の対策についても提言をする。
目次や構成
目次
まえがき(香山リカ)
- 1部 新型コロナ危機、医療現場の最前線で(香山リカ×徳田安春)
- 第一話 緊急事態における医療体制——初動対応が成否をわける
- 3人の提言書と状況について
- ダイヤモンド・プリンセス号について
- 自衛隊と新型コロナウイルスとABC
- ダイヤモンド・プリンセス号と情報発信
- 緊急事態における医療機関のガバナンス
- 最近のアメリカのデータから
- 指定感染症と新型コロナウイルス
- 武漢から学ぶべきことは
- 認知科学におけるバイアス
- 新型コロナウイルスと心の不安
- セクショナリズムの弊害が
- PCR検査を医師の判断で
- クラスター対策について
- 日本での検査数が少ないのはなぜ
- スウェーデン方式と民主主義の危機
- 抗体検査について
- 回復者血漿療法について
- 緊急事態における医療体制
- 第二話 医療従事者、患者さんとつくりあげる医療
- 「医療崩壊」は本当か?
- PCR検査が感染拡大をまねくという「神話」
- 検査漬け大国・日本とChoosing Wisely Japanの取り組み
- 検査はしなくていい・・・
- 武漢での対応について
- 日本の医療システムについて
- 感染症にかかわる臨床医について
- シェアード・ディシジョン・メイキング
- 政府の対応に求めたい「謙遜の徳」
- アカウンタビリティとは
- 医療安全とヒエラルキー
- 医療倫理とプロフェッショナリズム
- 医療従事者の感染リスク
- 無症状患者と重症化リスク
- 治療に関するガイドラインは
- 沖縄県の状況、OISTとの連携
- 五類感染症としての取り扱いを
- 新型コロナウイルスで露呈するさまざまな問題
- 目の前の患者さんにできる限りのことを
- 全世界のデータを調べて
- 患者さんの心のケアを
- 医療従事者への手厚いサポートを
- 第三話 政府の新型コロナ対策 どこに問題があったのか?
- 沖縄の検査体制について
- PCR検査の問題点
- 「まずは様子を見る」のミスリード
- 「なぜ検査ができないのか」の検証を
- 「日本式モデルの成功」と言えるのか
- 封じ込めと東京オリンピックのこと
- 提言「出口戦略」について
- 国民の選択が問われる
- 日本的な生活スタイルと感染防止
- 世界から孤立する日本!?
- 特殊なタイプの「コロナ医療崩壊」とは
- “検診ばなれ”が起きる
- 国民を信用して情報公開を
- 「社会の中で私は何ができるか」を考えて
- 2部 私にとっての医療、提言、そして生き方——対談を終えて
- 沖縄での医療活動と新型コロナ対策への提言(徳田安春)
- 社会のなかで助け合い自分らしい人生を(香山リカ)
- あとがき(徳田安春)
- 編集協力=高橋姿子
- 西日本新聞2020年9月4日付
【書評掲載】
著者情報
香山リカ
1960年北海道生まれ。東京医科大学卒。精神科医。2022年よりむかわ町国民健康保険穂別診療所副所長。著書に『もっと、自分をいたわっていい』(2021年)、『医療現場からみた新型コロナウイルス』(共著、2020年)、『大丈夫。人間だからいろいろあって』(2018年)『「ポスト真実」の世界をどう生きるか――ウソが罷り通る時代に』(共著、2018年ともに新日本出版社)、『「いじめ」や「差別」をなくすためにできること』(2017年、ちくまプリマー新書)ほか多数。

医療現場からみた新型コロナウイルス
定価1,650円
(本体1,500円)
2020年8月
徳田安春
1964年沖縄県生まれ。総合診療医。1988年琉球大学医学部卒業。沖縄県立中部病院、聖路加国際病院、水戸協同病院、地域医療機能推進機構(JCHO)本部顧問などを歴任。現在は、群星(むりぶし)沖縄臨床研修センター長を務める。 著書に『病気にならない食事の極意――総合診療医のエビデンスにもとづく処方箋』(2020年、三宝出版)、『病歴と身体所見の診断学―― 検査なしでここまでわかる』(2017年)ほか。

医療現場からみた新型コロナウイルス
定価1,650円
(本体1,500円)
2020年8月