
子どもをひとりの人として尊重する考えが、第二次世界大戦後すぐの日本にありました。子どもと書くことには、その思いが込められています。では、こども、子供と書くことにはどんな意味が? 災害のあった地域で、おとなを励ます子どもたちの活躍も。子どもをおとなより下の存在と見るのは正しいのか考えます。
目次や構成
<目次>
- 一 「こども・子ども・子供」の表記とその背景
- 1 各種法令における表記と年齢区分
- 2 あゆみ①──「子供」のなかに「コドモ」を見出す
- 3 あゆみ②──「こども・子ども」の中に込めた憲法・児童憲章の「子ども」観
- 4 あゆみ③──羽仁説子の主張──《子ども》表記への転換提言
- 5 あゆみ④──「子供」という表記復活の意図とその背景
- 6 あゆみ⑤──「こども」表記の登場をどう見るか
- 7 3つの用語の使い分けをめぐって
- 二 敗戦直後の初心──児童憲章を忘れてはならない
- 1 「児童憲章」覚書──忘れられていること・残された宿題
- (1)児童憲章制定の背景と当時の児童問題
- (2)児童憲章制定の舞台裏をのぞく
- (3)児童憲章制定会議の運営と議論
- (4)児童憲章の光と影(逆コースの中で)
- 2 戦後世代は「児童憲章の子」
- (1)若い世代に伝えたい──「児童憲章の子」としての立場から
- (2)児童憲章ができるまで──憲法、児童憲章、そして子どもの権利条約への流れ
- (3)児童憲章を見落としていないか
- (4)児童憲章を基礎に子どもの権利条約を生かす
- 三 「こども基本法」は歴史を踏まえているか──児童憲章と子どもの権利思想の視点から
- 1 子ども主体の活動を──教育と福祉と文化をつなぐ
- 2 子どもの権利条約の歴史をふりかえる
- 3 こども基本法には子どもの権利の思想が位置づけられているか──反省的総括の欠落
- 四 子どもの権利保障と学校の役割
- 1 学校は子どもの安全な居場所
- 2 学校が子どもの居場所になるために必要なこと
- 3 学校の一斉休校は何を教えてくれたのか
- 4 子どもを育てる上での《多面的・複眼的》視点──6つの権利と6つの《育》への注目
- 5 第一歩は「子どもを尊び、子どもの声を聴く」ことから
- 五 子どもの権利保障と31条(余暇・遊び・文化芸術)
- 1 子どもの権利条約31条と《子どもの文化権》
- 2 気晴らし(あそび)と遊び(play)を土台にして、文化・芸術(art)が花開く
- 3 子どもの成長のための基本権と子どもの文化権の位置
- 4 子どもの遊び権・文化権の確立をめざして
- 六 「子どものベスト・インタレスト」とは何か
- 1 平和な社会と教育の機会が保障されてこそ
- 2 問い直したい──「最善の利益(best interests)」の和訳
- 3 「子どもの最善の利益」と「あそび・遊び」の位置づけ
- 4 子どもの自由世界を保障すること
- 5 子どもたちからおとなへのメッセージ
- 七 「子どもの尊さ」「子どもリスペクト」の思想と子ども観(対談:山下雅彦)
- 1 いま、なぜ「子どもリスペクト」か
- 2 子どもの力はすごい!──なめるな・侮るな・見くびるな!!
- 3 子どもの力はすごい!──賢く・優しく・逞しい!!
- 4 子どもリスペクトの思想に学ぶ
- 5 子どもリスペクトの今後──「子どもの品位」を探る
- 補論 かこさとしの子ども論・子ども観──遊び・学び・生きることの探求と「子どもの権利」の尊重(共同執筆:山田恵子)
- 1 かこさとしの人とあゆみ
- 2 かこさとし子ども論の原点としてのセツルメント
- 3 かこさとしの「子どもの権利」把握の基本骨格
- 4 かこさとしと日本子どもを守る会
- 5 かこさとし──永遠の訴え
- 注・引用文献等
- 初出原題一覧
- あとがき
まえがき
著者情報
増山均
1948年、栃木県宇都宮市生まれ。専門は教育学、社会福祉学。東京教育大学文学部哲学科、東京都立大学人文科学研究科大学院卒業。日本福祉大学、早稲田大学教授を経て、現在、早稲田大学名誉教授。日本子どもを守る会副会長。主な著書に『余暇・遊び・文化の権利と子どもの自由世界』(青鞜社、2004年)、『かならず実る子育てのひ・み・つ』(かもがわ出版、2004年)、『子育て支援のフィロソフィア』(自治体研究社、2009年)、『うばわないで!子ども時代』(共著・新日本出版社、2012年)、『蠢動する子ども・若者:3・ 11被災地からのメッセージ』(共著・本の泉社、2015年)
子どもを見くびらない 「こども・子ども・子供」表記を考える
定価2,530円
(本体2,300円)
2025年11月











