
日本映画101年 ―未来への挑戦―
山田和夫=著
黒澤明,山本薩夫,今井正,溝口健二,小津安二郎ら戦前戦後の映画人の情熱とたたかいの軌跡を,秀作の名場面と作品論をおりまぜて描く。戦争への協力と抵抗,映画の斜陽化と復興運動,マルチメディア時代の映像とアニメ映画論なども論ずる。
目次や構成
- プロローグ 色つきの影絵が動いた!―「写し絵」に託した夢
- 第Ⅰ部 サイレントの時代
- 1 日本映画史のはじまり
- 2 戦争映画ブームから忍術映画全盛へ
- 3 「活弁」の時代―その明と暗
- 4 日本映画の社会的めざめと映画的独立
- 5 映画検閲―天皇タブーの登場
- 第Ⅱ部 日本映画のめざめ、そして戦争
- 6 多喜二の「期待」に応えて
- 7 トーキー時代がはじまった
- 8 日本独自のリアリズムへ―溝口健二と小津安二郎
- 9 侵略戦争の素顔に迫る―記録映画の抵抗
- 10 映画人の魂は生き続ける
- 第Ⅲ部 戦争から平和へ―新しい出発
- 11 戦争が終わったとき―戦後の出発点
- 12 戦後初の禁じられた映像は・・・・・・
- 13 戦後映画の前進―「大曽根家の朝」から「戦争と平和」へ
- 14 ハリウッド日本制覇の第一歩
- 15 東宝大争議へ
- 16 栄光の一九五〇年代
- 第Ⅳ部 「高度成長」と「斜陽化」のはざ間で
- 17 独占への思考と独立プロへの圧力
- 18 「高度成長」時代がスタートした
- 19 「戦艦ポチョムキン」の新しい挑戦
- 20 一九六〇年安保闘争―その映画的波紋
- 21 アメリカ文化政策の新しい波
- 22 映画復興の新しい映画運動へ
- 第Ⅴ部 映像時代の開幕
- 23 日本初の万国博を迎えたとき
- 24 「橋のない川」と芸術家の良心
- 25 日本アニメーション映画の夜明け
- 26 映画の灯は消さない―大映と日活の闘争
- 27 一九七〇年代・日本映画界の転換
- 28 日本映画「右傾化」への反撃
- 29 政治に映画文化への責任を!
- 30 「男はつらいよ」・人間らしい映画をめぐって
- <終章> 新しい世紀への挑戦
- <表> 戦後の日本映画産業統計
- あとがき
- 山田和夫・私の選んだ日本映画ベストテン(一九六九〜九六年)