
日本参戦の危機に、いま、真の国際貢献の道を探る!
「集団的自衛権」批判
松竹伸幸=著
2001年の非道なテロ攻撃を契機として熱い焦点となった「集団的自衛権」問題。この平和をおびやかす「集団的自衛権」なるもののすべてを明快に論じ,その正当化論を徹底批判する。国連憲章と日本国憲法に根ざした世界平和への道を提起する。
目次や構成
[目次]
- はじめに
- 第一章 憲法へのかつてない挑戦のなかで
集団的自衛権の浮上の動機
- 国連憲章第五一条と政府答弁書
- 集団的自衛権論議が急浮上した背景
- テロ対策特措法論議がしめす憲法解釈の限界
- 第二章 不法な侵略のために使われた歴史
集団的自衛権の発動の実態
- ソ連による集団的自衛権の発動
- 七〇年代までのアメリカとイギリスによる発動
- 八〇年代のアメリカのかかわる発動
- 第三章 世界を緊張させる軍事同盟の根拠
集団的自衛権が果たす役割
- 世界をおおいつくした軍事同盟
- 軍事的な緊張と勢力圏の確保のために
- 軍事同盟と集団的自衛権条項の実際
- 第四章 国連の基本理念と矛盾する考え方
集団的自衛権の誕生の背景
- 個別的安全保障から集団安全保障へ
- 個別的安全保障の核としての軍事同盟
- 大国による軍事同盟維持の画策
- 第五章 テロへの対応と国際社会の到達点
集団的自衛権の新たな展開
- テロへの対処手段の根本が問われる
- 国連が正当化する集団的自衛権
- 第六章 個別的自衛権とは区別する流れに
集団的自衛権の法理の到達
- 国際法としての定着に不可欠な国家の実行をみる
- 国際法の世界における集団的自衛権の位置
- 国際司法裁判所判決をどうみるか
- 第七章 武力の行使とはいったい何なのか
集団的自衛権の形態と内容
- 国連憲章と直後の議論、実践
- 侵略と武力攻撃に関する定義
- 国際司法裁判所による定義づけ
- 今日の国際法における到達点
- 第八章 日本国憲法はどうとらえているか
集団的自衛権と憲法問題(1)
- 日本は「集団的自衛権」をすでに行使している
- 日本は集団的自衛権をもっているのか
- 慣習法になれば集団的自衛権は行使できるか
- 第九章 憲法の原点から国際貢献を考える
集団的自衛権と憲法問題(2)
- 憲法制定会議から導き出されるもの
- 「国際法の進歩は、憲法の進歩につづく」
著者情報
松竹伸幸
1955年生。日本共産党政策委員会外交部長。著書『反戦の世界史』(2003年)、『「集団的自衛権」批判』(01年)、『「基地国家・日本」の形成と展開』(00年)、『日米地位協定逐条批判』(共著、1997年)いずれも新日本出版社刊。

「集団的自衛権」批判
定価2,090円
(本体1,900円)
2001年12月