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ジェンダー論に新しい命を吹き込む力作!

ジェンダー平等の経済学 男女の発達を担う福祉国家へ

二宮厚美=著

定価2,640円(本体2,400円)

出版年月
2006年10月
ISBNコード
978-4-406-03301-5
仕様
0036/ 四六判上製/ 397P
タグ
社会    経済一般   
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現代日本のジェンダー問題とジェンダー論の動向を概観し、とりわけ新自由主義と復古主義の改憲志向の二大保守潮流に対する批判を鋭く展開。マルクス主義の視点からジェンダー、家父長制、支配・差別関係、家事労働、人格と能力など、社会科学上の基本的概念を整理して、喫緊の課題となっている新自由主義との対抗構想を明示する。

目次や構成

〔目次〕

  • 序 ― 本書のねらい
  • 第1章  現代日本のジェンダーをめぐる諸潮流と対抗関係
    1. 現代日本のジェンダー問題をめぐる三潮流
    2. 福祉国家解体戦略としての新自由主義と男女間イコール・フィッティング
    3. 新保守主義のジェンダーフリー・バッシング
  • 第2章  ジェンダー論の基礎的概念と近代家父長制
    1. メインストリームのジェンダー構造分析
    2. ジェンダー論における支配概念と差別意識
    3. 資本主義のもとでの支配と差別
    4. 資本主義のもとでの男女差別の特質
    5. 男女平等と「自由の平等化」視点
  • 第3章  資本主義のもとでの近代家族と労働者家族
    1. 新自由主義の影響を受けたジェンダー論
    2. 資本主義と家父長制の相互関係
    3. 折衷論的資本主義観と「資本理論アプローチ」による性差別
    4. 性・家族関係起点の「家父長制アプローチ」の検討
    5. 性・生殖様式を土台にした史的唯物論の修正
  • 第4章  家事労働とサービス労働
    1. 物質代謝労働と精神代謝労働
    2. サービス労働と物質的生産労働
    3. 生産的労働と不生産的労働、生産と消費との区別と関連
    4. 家事労働と消費世界の独自性・自立性
  • 第5章  ジェンダー視点の社会政策と資本主義の解剖
    1. 資本主義と近代家父長制の物質的基礎
    2. 労働力商品化の論理と労働力の再生過程の相対的自立性
    3. 近代性別分業家族の必然的発生説の検討
    4. 資本主義と家父長制の相互関係矛盾・衝突とその打開形態
    5. 資本蓄積に内在する性差別論の検討
    6. 家族賃金と片働き家族のジェンダー・ギャップ
    7. 歴史の踊り場の家族賃金とその運命
  • 第6章  男女平等の経済学と史的唯物論
    1. 家父長制の物質的根拠をめぐる一論争
    2. 史的唯物論から見た家族と両性関係
    3. ジェンダー・エクイティ視点にたつ新福祉国家
  • あとがき

著者情報

二宮厚美

1947年生まれ。神戸大学発達科学部教授。経済学、社会環境論を専攻。主な著書は、『日本経済と危機管理論』(82年)『現代資本主義と新自由主義の暴走』(99年)『日本経済の危機と新福祉国家への道』(02年)『ジェンダー平等の経済学』(06年)〔以上は新日本出版社〕、『円高列島と産業の空洞化』(87年、労働 旬報社)、『自治体の公共性と民間委託』(2000年、自治体研究社)など多数。