
残された時間は限られている――戦争体験者と若者たちの想いが重なり合ったこの瞬間、「戦争体験」を受けつごうとする若い世代の新たな活動が広がっている。六十年という時間を越えて、日常生活のただ中で、どうしたら戦争の現実を伝えられるのか。体験者と出会い、想像し、共感する若者たちの試みに耳を傾けてみませんか。
目次や構成
〔目次〕
- はじめに(小森陽一)
- 戦争体験を語りつぐということ
- 正義と尊厳の回復を求めて 「従軍慰安婦」(村上麻衣)
- 被害と加害から戦争を考える 南京事件(荒川美智代)
- 東アジアの出会いと友情 強制連行・強制労働(殿平 真)
- 戦争できる人間づくり 靖国神社(西村美幸)
- 街のざわめきに記憶を込める 東京大空襲(山本唯人)
- 次のスタートラインを目指して 沖縄戦(北上田 源)
- ヒロシマ・ナガサキと人間 原爆(布施祐仁)
- 朝鮮戦争と現代日韓関係 朝鮮戦争(角南圭祐)
- 現代の戦争の体験者として イラク戦争(相澤恭行)
- なぜ今、私たちなのか ―座談会―
(小森陽一・荒川美智代・北上田 源・布施祐仁・村上麻衣・山本唯人)- 「証言」=傷口をひらくこと?
- 問われる聴き手の想像力
- 「物」をめぐる証言と記憶の蘇り
- なぜ今、私たちなのか
- 「体験」を「経験」にかえる
- 裁判で「今」の問題に
- これを出発点に
- 伝え、伝え合う声の響鳴 (小森陽一)
- 付録 関連年表
- 著者陣によるブログはコチラ→続・戦争への想像力
著者情報
小森陽一
1953年生まれ。<BR> 北海道大学文学部卒業、同大学院文学研究科博士課程修了。成城大学助教授を経て、現在東京大学大学院総合文化研究科教授。<BR> おもな著書<BR> 『構造としての語り』(新曜社)<BR> 『日本語の近代』(岩波書店)<BR> 『ポストコロニアル』(岩波書店)<BR> 『日露戦争スタディーズ』(紀伊国屋書店)<BR> 『天皇の玉音放送』(五月書房)<BR> 『歴史認識と歴史小説―大江健三郎論』(講談社)<BR> 『研究する意味』(東京図書)<BR>