
政治の閉塞感の中で「何か変えてくれそう」と人気の橋下徹大阪市長。選挙は「白紙委任」と語り、思想調査まで行う独裁ぶり、教育基本条例案が示したその思想の歪み、自らを「善玉」であるように思い込ませ人々から政策的思考を奪う手口など、その特徴を解明します。しなやかな言葉の力で悪政に向き合うことを呼びかける一冊。
目次や構成
- はじめに
- 第I章 有権者を煽動する手法
- 1 橋下「維新の会」の横暴
- 2 煽動の五つの手口
- 第II章 「条例案」が示した橋下氏の人間観、政治観
- 1 子どもを主権者でなく「人材」と考える思想
- 2 学校を上意下達の管理統制組織にしてしまう
- 3 政治介入、政治権力で推し進める
- 第III章 「橋下氏の騙し」に対抗するために
- 1 「思想調査」は全府民・全国民に向けられた
- 2 「維新の会」を支持する人びとの気持ちに向き合う
著者情報
小森陽一
1953年生まれ。<BR> 北海道大学文学部卒業、同大学院文学研究科博士課程修了。成城大学助教授を経て、現在東京大学大学院総合文化研究科教授。<BR> おもな著書<BR> 『構造としての語り』(新曜社)<BR> 『日本語の近代』(岩波書店)<BR> 『ポストコロニアル』(岩波書店)<BR> 『日露戦争スタディーズ』(紀伊国屋書店)<BR> 『天皇の玉音放送』(五月書房)<BR> 『歴史認識と歴史小説―大江健三郎論』(講談社)<BR> 『研究する意味』(東京図書)<BR>