
21世紀の日本とアジアの前途のためにも,日本の侵略戦争と植民地支配の問題で,子どもたちに間違った歴史を教え込むことは許されない。この立場から『歴史教科書』が描き出す偽りの歴史を論破する。日本の戦争の歴史に正面から取り組んだ書
目次や構成
[目次]
- まえがき
- "日本は正しい戦争をやった"
子どもたちにこう思いこませる教育が許されるか
―ここに『歴史教科書』問題の核心がある- 一、 開戦のいきさつ
- 二、 「大東亜戦争」という呼び名
- 三、 戦争の最後の時期をどう描いているか
- 四、 罪悪感を捨てよ、の呼びかけ
- 朝鮮に対する植民地支配の歴史を子どもたちにどう教えるのか
- 一、 韓国併合は日本の安全保障のためという議論
- 二、 韓国併合にいたる歴史をできるだけ平和的に描きだす
- 三、 植民地支配には"恩恵"の面があったのか
- 四、 日清戦争と日露戦争
- 『歴史教科書』は中国に対する侵略戦争をどう書いているか
- 一、 日中関係悪化の原因を「過激な」排日運動にもとめる
- 二、 満州事変―天皇制政府の責任を免罪する
- 三、 日中戦争―開戦の責任は"双方にあり"とする議論
- 四、 「南京事件」をめぐって
- 五、 「泥沼戦争」―中国側にその責任を問う暴論
- 六、 日本の戦争指導者たちの立場に立った「日米交渉」論
- 資料・日本政府の公式文書から
- 〔資料1〕 「韓国併合に関する条約」(一九一〇年八月)
- 〔資料2〕 「東方会議『対支政策綱領』に関する田中外相訓令」(一九二七年七月)
- 〔資料3〕 日満議定書」(一九三二年九月)
- 〔資料4〕 「盧溝橋事件処理に関する閣議決定」(一九三七年七月)
- 〔資料5〕 「『支那事変』処理根本方針」(一九三八年一月)
- 〔資料6〕 「対外施策方針要綱」(一九三九年十二月)
- 〔資料7〕 「皇国の大東亜新秩序建設のための生存圏について」(一九四〇年九月)
- 〔資料8〕 「情勢の推移に伴う帝国国策要綱」(一九四一年七月)
- 〔資料9〕 「帝国国策遂行要領」(一九四一年九月)
- 〔資料10〕 「帝国国策遂行要領」(一九四一年十一月)
- 〔資料11〕 「対米英蘭開戦に関する件」(一九四一年十二月
- 〔資料12〕 「宣戦の詔書」(一九四一年十二月)
- 〔資料13〕 「大東亜政略指導大綱」(一九四三年五月)
著者情報
不破哲三
社会科学研究所所長。1930年生まれ。主な著書「北京の五日間」「私たちの日本改革論」「日本共産党と中国共産党の新しい関係」「二十一世紀と『科学の目』」「科学的社会主義を学ぶ」など多数。